3代目となる代表就任 『人が集う会社へ』をつくり上げる(後)
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照栄建設(株) 冨永 一幹 代表取締役社長
──社内のチームワークも優れていますね。
冨永 ありがとうございます。おかげさまで、社員の離職率は1%台です。離職する社員は、ほとんどいません。とくに女性はゼロです。平均勤務年数が19年ですから、これは比較的長い期間といえるのではないでしょうか。弊社の組織は9つあり、工事部・営業部・開発営業部・住宅営業部・リフォーム部・ドゥープ事業部(リノベーション)・西支店、そして総務部・経営企画部で形成されています。それぞれの役割を果たしながら、お互いきめ細かなコミュニケーションで連携を図っています。その全社一丸となった仕事づくりで、お客さまへより満足度の高い建築物・構造物を提供するための業務にすべてのベクトルを向けております。それが、入社した社員が弊社で長い年月に渡って仕事にあたる要因となっているかと思います。
人の集う会社へ
──他方、建設業界全体にいえることですが、各社ともに人材の高齢化と次世代の人材の確保が大きな課題となっております。冨永代表は人材戦略について、どのように構想されておりますか。
冨永 業界の高齢化と次世代の人材確保は、喫緊の課題です。弊社の協力専門工事会社も同様です。私は、建設業は「人ありき」という発想を見直す時期に来ているかと思います。それは、「給与を上げる、休日を増やす」などの待遇面のみを厚くしても、次世代の人材を確保することはできないと考えます。では、どうするのか。それは、社員の評価を明確化、具体化することです。弊社は経営ハンドブックを作成しており、そのなかに仕事の心得など、仕事に取り組むためのガイドラインを明示しております。そのガイドラインに沿ったなかで、公正に人事考課していくことが大切であると確信しております。仕事において、営業成績などの結果はもちろん大事ですが、同様に人格も大事です。毎期の新卒採用を行う際に学生に対し、給与や休日などの待遇面の話はほとんどしません。それより弊社の経営における理念について話しております。私は、「同志を募る」という志向で人材を求めていきたいと思っています。
──貴社の強みを生かした人材の確保が大切ですね。
冨永 建設業は、あまり機械化が進まない産業の1つです。実は、45年前の建設技術と現行の技術に大きな違いはありません。建物は人の手作業によって1つひとつでき上がっていきます。人の力によって支えられている業界です。しかし、少子高齢化が進み、人材確保は年々厳しくなっていきます。そのため、「人を集める」という志向から「人が集う会社へ」という風土に変革していくことが、必要となってきます。それには、前述した評価をわかりやすくすること、社員の帰属意識を高めること、社員の能力を最大限発揮できるための風土をつくり上げること、そして女性の活用をより強化する。これが社長としての一番の仕事です。
そしてそのためには、社内のハード・ソフト両面の改善はもとより、地場のゼネコンでも業界大手に勝ることができる事業へ挑戦していくことが必要だと思います。
(了)
【河原 清明】<COMPANY INFORMATION>
代 表:冨永 一幹
所在地:福岡市南区向新町2-5-16
設 立:1972年6月
資本金:7,000万円
売上高:(17/5)138億8,387万円
URL:http://www.shoei-k.com<プロフィール>
冨永 一幹(とみなが・かずもと)
1969年6月14日生まれ。福岡県春日市出身。福岡大学大学院人文科学研究科教育臨床心理学専攻修士課程終了。2005年4月に照栄建設(株)入社。取締役社長室長、総務部長を経て17年8月1日に代表取締役社長に就任。法人名
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