北九州・福岡と協力関係を構築してほしい~社内対談(後)
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井上秀作議長の取材を終え、私たち取材班は大いに刺激を受けることになった。井上議長の話す産業振興と人口増加のための施策や、数値をもとにして検証し、改善を続けて実現させるというプランは経営にも通じると弊社代表・児玉直は指摘する。取材を終えた所感をまとめる。
(弊社代表・児玉 直×北九州地区担当・柳 茂嘉)
働く場を誘致は人口増加につながる
児玉 人口増加のための施策を、いくつも同時に取り組もうとしている姿勢は素晴らしいと思います。井上議長は北九州市をものづくりの町と定義されました。その特徴を生かしたまちづくりに取り組む、ということですね。それゆえ、産業・企業の誘致を強力に推し進めていくと表明していらっしゃいます。
バックアップ施設誘致にしても、今、企業のリスク管理が声高に叫ばれている時流に乗った施策だと思います。本社を移せ、というのではなくて、バックアップ施設をつくったらどうか、という提案は、どこの企業にも当てはめることができる、大変すばらしいものだと思います。人口を増加に転じさせるためにはどうしたらいいかと考え、まずは生活できるように働く場所を増加させていくという考え方は共感できます。
北九州・福岡は協力関係を
柳 福岡県には福岡市、北九州市と2つの政令指定都市があります。距離的にもそれほど離れていない場所で2つの政令指定都市があるということについて、どう考えますか。
児玉 北九州市と福岡市は同じ県にありますが、まったくキャラクターの違った都市ですね。北九州市は八幡製鐵所以降、ものづくり、産業の町として栄枯盛衰を経験してきました。今も多くの工場がありますし、ものづくりのトップ企業の本社もあります。一方で福岡市は産業とは無縁の町ですね。支店経済と言われますが、大企業の九州支店が福岡につくられて、商社機能ばかりが積み上げられていった町が福岡市だと思います。
柳 2つの政令市があることは事実だけれども、その意味合いは違うということですね。
児玉 そうです。キャラクターが全く異なりますから、直接競合することはないと思います。商業の町と産業の町が互いに手を取り合っていくことは、これからの国際競争時代で必要なことだと思います。北九州市、福岡市それぞれのノウハウや潜在能力を互いに補い合いながら、アジアをはじめとした世界に打って出ることが今後重要になってくるでしょう。
福岡市・福岡都市圏だから、北九州市・北九州都市圏だから、といったような区分をすることはナンセンスだと思います。協力関係を築いてアジアのなかでもユニークな都市関係を構築していかなければならないでしょう。
柳 そうですね。北九州市、福岡市は互いに特徴を生かした協力関係を築くことが可能なはずですから、その部分は力強く推進してほしいと思います。井上議長のリーダーシップに期待したいですね。
(了)
【文・構成:柳 茂嘉】関連キーワード
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