高口ビルの所有権はどうなるのか~柳橋連合市場
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10月某日、地元紙が一面で、「柳橋連合市場 再開発」と報じた。一連の動きにひとつの結論が出たためだ。
16年6月、市場中央部に位置する通称「高口ビル」を取得した(株)ジョイフルコーポレーション(東京都町田市、佐野吉裕代表)が入居テナントに対し、建て替えのために退去を要求。テナントが計画に反対したため、訴訟に発展した。およそ1年の係争を経て、和解に至ったのが今年9月だった。同時期に、仮店舗の建設が始まり、現在、退去したテナントは移転先で営業を行っている。
確かに、物件所有者の1社がジョイフル社なのは間違いないが、あくまで「共有」であることに変わりはない。ジョイフル社が持分10分の4なのに対し、共有者である(株)D・R・M(東京都港区)が持分10分の6。ジョイフル社持分には権利者D・R・Mの根抵当権設定の仮登記がなされており、実質D・R・Mが所有者と言ってもいいだろう。
また、ジョイフル社が所有者となった時点で、D・R・Mはジョイフル社持分全部の移転請求権を仮登記している。D・R・Mへの売買予約がなされている状況に、地場不動産業者は「すでに両社の間で、不動産売買契約書が交わされている可能性もある」と話す。
今後の可能性としては、2つのケースが考えられる。まず、不動産を2社共有したまま、建て替え計画が進むケース。この場合ビル完成後も、2社で共有し、ジョイフル社の和解案の通り、テナントが再入居する。
もしくはどこかのタイミングで、ジョイフル社持分がD・R・Mに渡り、D・R・Mが100%所有者となるというケースだ。後者の場合、所有者が変われば、これまで話し合ってきたテナントとの和解案が継続されるか保証はない。果たして建替え後に、テナントを再入居させる約束は守られるのか、今後の動向に注目したい。
高口ビル法人登記の一部 【東城 洋平】
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