果敢なる海外への挑戦で成長力を高めた「世界のHIRATA」(3)
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平田機工(株)
生産システムおよび産業用ロボットの製造・販売を手がけ、「世界の工場をつくる工場」と呼ばれる平田機工(株)。同社は、中興の祖である2代目社長・平田耕也(やすなり)氏のもと、松下電器産業やアメリカのGMといった一流企業を相手に積極果敢に営業を仕掛け、受注を勝ち取っていく。より高いハードルへの挑戦は技術力の向上にもつながり、世界で最も品質に厳しいトヨタから、その重要な生産ラインを任されるまでの企業になった。あえて厳しい環境に身を置くことで、成長力を高めたといえるだろう。
最先端を支えて業績伸張
現在、同社の国内拠点は本社および熊本4工場と関東(栃木)、関西(滋賀)の2工場、東京営業所の計7拠点。海外における実績は世界40カ国にわたる。関係会社は、海外子会社が北米2社、欧州1社、東南アジア4社、中国2社、台湾1社の計10社。国内子会社が、自動省力機器などの製造および電気工事を手がけるタイヘイテクノス(株)、ポイントサービス事業を手がける(株)トリニティ、自動省力機器の保守サービスを行うヒラタフィールドエンジニアリング(株)の3社。現地調達や現地生産比率を高めることでコスト競争力を強化するとともに内製化率の拡大を推進し、収益性を高めるのが同社の生産体制の考え方だ。
15~17年度における同社の中期経営計画の最終年度数値目標は、連結売上高500億円台の定着と営業利益率5%以上であった。ところが同社は、この目標を大きく上回る結果を出した。17年3月期は売上高805億4,236万円、当期純利益59億4,914万円を計上。売上、利益ともに過去最高。営業利益率は10.2%となった。
この、売上高で前期比51.8%増、当期純利益で同比243.9%増となる大幅な増収増益は、要因として、自動車関連生産設備事業における北米および中国での売上高拡大、EV(電気自動車)メーカーからの受注の獲得、国内自動車部品メーカー向け設備などの堅調な推移があげられる。同事業の売上高は、前期比88.4%増の302億6,710万円。17年1月には、複数の大型案件の受注を発表し、とくにEV関連生産設備の累計受注額は110億円を超える金額になったという。
また、半導体関連生産設備事業も好調であった。とくに、IoT関連や自動運転技術による電子化が進む自動車への対応が活発化することが見込まれるなか、半導体の基盤材料となるシリコンウェーハ搬送設備案件の売上高が拡大。また、有機ELディスプレイがスマートフォンで採用の拡大が見込まれるなか、その量産に向けた生産ラインの拡充から、有機EL関連の蒸着装置案件の受注高、売上高が堅調に推移した。同事業の売上高は、前期比101.6%増の322億8,995万円となり、同社を牽引してきた自動車関連設備事業を上回った。このほか、家電関連およびそのほか生産設備事業では、前期比5.2%減の131億5,503万円を売上高に計上。同社は、「白物家電を中心とする組立設備やタイヤ関連設備の案件に一服感がみられた」などと分析している。
(つづく)
【山下 康太】<COMPANY INFORMATION>
代 表:平田 雄一郎
所在地:熊本市北区植木町一木111
設 立:1951年12月
資本金:26億3,396万円
売上高:(17/3連結)805億4,236万円関連キーワード
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