中洲の新たな息吹は人形小路から
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中洲バトルロワイヤル
人が集まるところに文化は生まれ、受け継がれていく。老朽化したビルの建替えが方々で始まり、少しずつ、新たな街に生まれ変わろうとしている西日本一の歓楽街・中洲。見慣れた風景やビルがなくなることに寂しさを感じる人も少なくはないだろう。人が集まる街にはノスタルジックな要素も欠かせない。視野を広げれば、今では観光資源となっている明治以前の古い街並みも数多くある。一度失ってしまえば、取り戻せないものもある。
変貌する中洲で、昭和以前の街並みを保っている「人形小路」。テレビでお馴染み老舗料理屋や若者に人気の居酒屋も豊富。お父さんの憩いの場スナックも健在だ。何を隠そう小生の母上も昔、ここで飲み屋をやっていた。古希を迎えた母を「人形小路」に案内した。昔と変わらぬ光景を懐かしんでいた。「人形小路」は小生のふる里でもある。
昔の趣を残す「人形小路」から、中洲にとっても新たな文化が発信されようとしている。「人形小路」の街並みを守るように建つ「人形町ビル」。その地下1階に「Bar TANALACH」がオープンした。オーナー・バーテンダーは有名ホテルや銀座の名店で修行を積んだ湯浅貴夫氏。遠心分離機や減圧蒸留器を用いて作る、彼の店でしか飲めないオリジナルカクテルが味わえる。420種類以上はあるというウィスキーの品揃えも圧巻だ。景気が浮き沈みするなかで中洲の人情を守り続けている「人形小路」。ここから新たな息吹が起ころうとしている。
【長丘 萬月】
<SHOP INFORMATION>
Bar TANALACH
所在地:福岡市博多区中洲4-1-26 中洲人形町ビルB1F
TEL:092-282-0600
E-mail:bar.tanalach@gmail.com<プロフィール>
長丘 萬月 (ながおか まんげつ)
福岡県生まれ。雑誌編集業を経てフリーに転身。よく言えば「現場主義」でひと通りの「ボッタクリ」を取材し(被害に遭い)、蓄積したデータをもとに「歓楽街の安全・安心な歩き方」を勝手にサポート(武勇伝として語るだけ)している。自称「中洲飲み屋のコンサルタント」だが、実際は愚痴の聞き役で最後は店で寝てしまう。腹周りと肝臓の脂肪が気になる今日この頃、それでも中洲に毎日出没する。関連キーワード
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