おもてなしの一言に感動を覚える
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NetIB-NEWSを運営する(株)データ・マックスは、3月、インバウンドも含めて観光ビジネスで、さらなる賑わいを見せる京都へ視察旅行を実施しました。九州・福岡の経済ニュースを発信する記者の視点から見た観光都市「京都」の実像とは――。複数回のレポートでお伝えいたします。
京都での視察旅行は、グループでのバス観光が組まれていたが、自由時間がわずかにあったのでリュックを背負い、1人で京都駅周辺を散策してみた。老舗ラーメン店で舌鼓を打ち、1人で京都タワーにも登った。東本願寺では、建物の大きさに圧倒されたが、中でも印象に残ったのは、路地を歩いていたときの些細な出来事である。
東本願寺裏手の住宅街を歩いていたときだ。犬を連れた母親とよちよち歩きの子どもが散歩に出かけるところだった。玄関先には、2人と1匹を見送るお婆さんの姿。「車に気をつけなさいよ」――実に微笑ましいシーンだった。春の陽気に誘われて、気持ちのいい外出になることだろう。
そして、そこを通り過ぎようとしたバックパッカー姿の私は、そのお婆さんと視線が合った。お婆さんは、旅行者と見た私に「おいでやす」と優しく声をかけてくれたのだ。なんと返せばいいだろうかと私。とっさに「こんにちは。お邪魔します」と言ってしまった。もちろんホテルの受付やバスガイドさんから、「いらっしゃい。おいでやす」はよく聞く言葉だ。それが一般の方から自然と出てくるのは、まさに「おもてなし」の心からであろう。博多っ子から旅行者に「ようきんしゃったね」とは聞いたことがない。旅行者との関わりが生活に根付いている証拠である。地元に根づいた観光の歴史・文化では、まだまだ京都には及ばないようだ。
【東城 洋平】
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