京の幕末・維新の旅~即宗院を訪ねる
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NetIB-NEWSを運営する(株)データ・マックスは、3月、インバウンドも含めて観光ビジネスで、さらなる賑わいを見せる京都へ視察旅行を実施しました。九州・福岡の経済ニュースを発信する記者の視点から見た観光都市「京都」の実像とは――。複数回のレポートでお伝えいたします。
視察旅行2日目の午後、臥雲山即宗院を訪ねた。室町時代に薩摩の守護大名・島津氏久の菩提を弔うために創建されたとされる、臨済宗東福寺派の寺院である。東福寺の名は奈良の東大寺の「東」と興福寺の「福」の字から付けられとされている。東福寺3名橋の1つ「臥雲橋」を渡って境内に入った。
幕府の目を盗み、東山連峰の尾根伝いに裏口から同院を訪ねた西郷隆盛が、月照上人と討幕計画を練ったと伝えられる。院内には隆盛が好んで揮毫したとされる「敬天愛人」の書が掛けられている。一方、江戸幕府の第15代将軍・徳川慶喜公の書も掛けられており、人懐っこい同院の住職がジョークを交えながら両者の書を比較して法話を語った。
隆盛が49歳で生涯を閉じたのに対し、慶喜は76歳まで生きた。太く短い生涯と細くて長い生涯。住職は「長く太く生くべし」と聴聞者を悟しながら、「それでも西郷さんは最後にニヤリと笑って死んだはず。皆さんも最後にニヤリと笑うことのできる人生を送りましょう」と結んだ。
敬天愛人の書について、「天を敬うの“天”とは人の力では抗うことのできない自然のこと。“愛”とは『LOVE』ではなく、万物・万人をいとおしむ気持ち」と述べ、西郷隆盛という人物の大きさと慈愛の深さを説明した。同院は1月6日から3月18日まで特別公開されている。
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