2024年12月23日( 月 )

大企業が集積する京都で、健康産業界でも有力企業続々と

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 NetIB-NEWSを運営する(株)データ・マックスは、3月、インバウンドも含めて観光ビジネスで、さらなる賑わいを見せる京都へ視察旅行を実施しました。九州・福岡の経済ニュースを発信する記者の視点から見た観光都市「京都」の実像とは――。複数回のレポートでお伝えいたします。

 京都は歴史的建造物が立ち並び、世界遺産に多数登録されていることで、国内外から年間5,000万人以上が訪れる国際的な観光都市として知られているが、海外にも認知されているのはこうした「遺産」だけではなく、世界屈指の大企業が多いのも京都の特長だ。

 京都に拠点を置く大企業を挙げると、家庭用ゲーム機器の任天堂(株)をはじめ、携帯電話などの通信機器の京セラ(株)、電子部品製造販売の(株)村田製作所といった、売上高1兆円を超える大企業があるほか、健康医療機器で知られるオムロン(株)、計測機器、医療機器の製造販売の(株)島津製作所、集積回路製造で国内トップシェアのローム(株)、液晶製造装置や印刷製版関連機器製造業の(株)SCREENホールディングス、女性用下着販売の(株)ワコールホールディングス、酒造業の宝ホールディングス(株)など、さながら「日本のシリコンバレーの集積地」ともいわれるほど、多くの有力企業が京都にある。

 一方、こうした様々な業界でトップクラスの企業ほどではないが、「健康食品業界ではトップ」という企業が、他の地域に比べて多いのも京都。健康産業は歴史も浅く、先に挙げた歴史的にも長い企業が多いものの、1素材1市場の健康食品業界で先頭を走る企業は京都を拠点とする企業が多い。例えば、設立から50年近くにわたり、栄養価の高い淡水性単細胞緑藻類「クロレラ」を販売するサン・クロレラ販売(株)をはじめ、宝ホールディングス(株)グループで、30年以上にわたり、モズク由来の有効成分である高分子多糖類「フコイダン」の研究開発を続けており、業界トップの高品質フコイダンの原料供給や健康食品を販売する宝ヘルスケア(株)、健康食品では定番素材とされている、北欧産ブルーベリー含有の健康食品の売上高トップの(株)わかさ生活、韓国産高麗人参を用いたサプリメントを通販で展開し、こちらも売上高トップの金氏高麗人参(株)、製造においても、健康食品の錠剤受託製造では国内トップクラスの日本タブレット(株)など。

 なぜ、健康食品業界の有力企業が京都に多い理由はわからないが、確かなのは、これだけ地場で大成した企業があるだけに、起業気質が高い地域で、その成功事例を直に感じ、学んで生かせる環境が多分にあるのではないか。これは業界に関係なく、京都は大学をはじめ、レベルの高い教育施設が多く、産学連携も活発に行われており、伝統をベースに先端技術が融合した独自の研究や商品開発ができる環境にある。そのため、トレンドや価格競争に巻き込まれない商品やサービスが生まれやすいのだろう。また神仏の加護に恵まれた地域特性なのか、経営に対する倫理感も高い。これが現在のCSRやCRMにもつながり、国内外に通用する優れた企業が数多く出てきているのかと思う。

 

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