良い家具づくりへの飽くなき追求~新体制で世界へさらなる飛躍を(前)
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(株)リッツウェル 代表取締役社長 宮本 晋作 氏
福岡本社のほか、東京・大阪に支店を構え、国内3拠点体勢を敷く家具メーカーの(株)リッツウェル。同社の独自ブランド「Ritzwell」の家具は、世界最大規模の家具見本市「ミラノサローネ」への出展を機に、今や国内のみならず海外からも注目を集めている。今年1月1日付で同社の代表取締役社長に就任した宮本晋作氏に話を聞いた。
(聞き手:建設事業部・坂田憲治、代源太朗)
意識の変化と目指す組織の姿
――まずは社長へのご就任おめでとうございます。今回の就任のお話は、いつごろから出ていたのでしょうか。
宮本晋作代表(以下、宮本) ありがとうございます。今回の社長就任にあたっては、2年ほど前から父である現会長との間で話を進めてまいりました。そのなかで、今年が弊社の設立25周年を迎える年であり、私もちょうど40歳になるということもあって、これを1つの節目と考え、今年1月1日付で経営のバトンを引き継ぐことになりました。
――就任されて2カ月が経ちますが、就任後の業務や心境の変化などについて、率直な感想はいかがですか。
宮本 これまでにも私は、常務および専務と役員を歴任させていただき、会長の側で経営についてもいろいろと学ばせていただきました。その経験が生きており、とくに大きく業務が変わったというわけではありませんが、社長就任後も組織・事業の動向の把握に努めるとともに、業績への影響を考えながら日々の業務にあたっています。ただしその一方で、やはり気持ちの変化は大きかったです。社長としての責任感といいますか、これまで以上に“自分のことは後回し”になったことに驚かされています。社員に対する思いが強くなったことが、とくに印象的です。
人生の大半を占めるのが、起きて働いている時間です。経営者として、仕事を通じていかに社員の人生をより豊かなものにしてあげられるか――このことをより考えるようになりましたし、社員1人ひとりの生活に対する責任というものも、より強く感じるようになりました。また、社員のみならず、お客さまを始め、弊社に関わる人すべての人生を、家具を通じて良くしていきたいという思いがとくに強くなりましたね。
――就任後、組織体制に変化はあったのでしょうか。
宮本 まだ今後の方針を考えている段階ですので、具体的なことはこれからになります。弊社の社員の平均年齢は30代です。70代の(敏明)会長からすると、息子や娘といった感覚になると思います。人間的な成長を促せるような社内環境づくりも、今後、必要になってくるのではないかと感じています。
また、時間の流れについても思うところがあります。企画、デザイン、制作と、1つの家具を生み出すまでに相応の時間をかけます。長いものでは、市場に送り出すまでに3年以上かけた作品もあります。社員は、それぞれの担当する業務に集中できる反面、1つの業務に忙殺されてしまう可能性があります。弊社では不定期ですが、社員をセミナーへ参加させることで外部から刺激を得られるような機会を提供しています。こうした取り組みを社内でも行えるようにしていくことが大切だと思います。私は、これまでも社員とコミュニケーションを取るよう努めてきたものの、まだ不十分だったのではないかと感じています。そのため、社長就任後は、より積極的に社員に話しかけるように心がけています。社員1人ひとりの声に真摯に向き合い、社員が「働く意義」を見いだせる組織を、会長、そして社員と一緒につくり上げていきたいと考えています。
(つづく)
【文・構成:代 源太朗】<プロフィール>
宮本 晋作(みやもと・しんさく)
1978年1月生まれ。九州産業大学建築学科を卒業後、家具の本場である飛騨とイタリアで修行を積み、2005年に(株)リッツウェルに入社。常務、専務を経て、18年1月に代表取締役社長に就任した。法人名
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