事業停止した平成工業グループ、前監査役には前田下関市長の名(前)
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足場工事を手がける平成工業(株)が今年1月、事業を停止した。急成長を続けていた矢先の破綻に、取引先の業者からは驚きの声が上がっていたが、取材を進めるにつれ、衝撃の事実が明らかとなった。雲隠れを続ける代表、給与支払いをめぐり苦闘する従業員。平成工業の破綻をレポートする。
足場工事で躍進
足場工事を主業として急成長をしていた平成工業(株)が1月、事業を停止した。同社は代表を務める奥平陸氏が2007年に創業、同年11年に株式会社に改組したもの。足場仮設工事を中心に事業を展開し、13年には福岡支店を設け、営業エリアを山口県内から福岡県内にまで広げるなど、業容を拡充させていた。
14年には戸建ての外装を中心に塗装工事を施す(株)ロングライフペイント、太陽光パネル、仮設材の販売や基礎工事などを手がける(株)大栄商事を設立し、グループ全体で業容を充実させていく。
16年に持ち株会社としてサスケホールディングス(株)を設立。一時はサスケホールディングスでの株式の上場を目指していた。平成工業は学校などの公共施設やマンション、一般住宅の足場仮設工事を中心に事業を展開し順調に業績を伸ばすことに成功。売上高は12年12月期の売上高は2億4,668万円だったが13年12月期には4億5,405万円、14年12月期は7億4,153万円、15年12月期は9億9,989万円と、毎期増収を続け、16年12月期には15億円を突破した。右肩上がりに業績を伸ばしていったが、16年12月、資金繰りに関するネガティブな噂がささやかれるようになり、1月には決済不調を起こす。
事実上の倒産
昨年12月初旬、同社本社を訪れたところ、従業員の女性2名が対応してくれた。その取材で、少し違和感を覚えた。
以前にも同社を訪れて取材を行ったことがあるが、そのときはホワイトボードに書き込みがなされ、書棚はファイルがたくさんならび、男性従業員を含む10名くらいが社内狭しと働いていた。
それが、対応した女性2名のほか社員らしき姿は見当たらず、ホワイトボードに書き込みはなく、書棚はほぼ空の状態。外観にこそ変化はなかったが、社内は活気が感じられない状態だったのである。
女性社員に「以前うかがったときにはもっと男性社員がたくさんいたと思うが」と尋ねてみると「最近、たくさんの方が辞めてしまった」との返答だった。とはいえ、会社自体は存続していると確認を得ることができた。しかし今年1月、改めて本社を訪れてみるとポストには郵便物がたまり、社内は電気もついておらず、誰もいない。
さらに奥平氏とは連絡がとれず。同社と取引のある企業からの問い合わせが増えてきた。そして同月31日、決済不調を起こし、事実上の事業停止を確信するに至ったのである。(つづく)
【柳 茂嘉】<COMPANY INFORMATION>
代 表:奥平 陸
所在地:山口県下関市長府才川2-1-26
設 立:2011年1月
業 種:足場仮設工事
資本金:4,000万円関連キーワード
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