業績急伸、採用難時代に際立つ人材調達力(前)
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(株)ワールドホールディングス
人材派遣・業務請負を主力に不動産業や携帯ショップ運営も手がける(株)ワールドホールディングスは、2017年12月期決算で前期比約35%増の増収を遂げた。地場中小の人材派遣業者が人出不足に悲鳴をあげるなか、順調な増員をテコに4年後に売上高2,000億円を目指す。
コア事業の成長を支える雇用形態
多くの子会社を有し、多彩な事業を手がける(株)ワールドホールディングスだが、業容を拡大できるのはコア事業の人材ビジネスが稼いでいるからこそ。同事業の売上高は前年の約520億円から約670億円へ拡大し増益へつなげた。工場業務などいわゆる現場で働く人員も前年より1割増加して1万6,000名を超えた。
人材ビジネスは「登録者数の7割が1年で入れ替わる」(業界関係者)採用活動が「キモ」の業界だ。売り手市場のなかで現状維持すらままならないなか外国人留学生を奪い合っているのが実情だ。
ワールドホールディングスは外国人の採用数を公開していない。特別な理由はなく、その必要性を認めていないからだ。同社の外国人労働者に対する考え方は注力も排除もしない、条件を満たせば採用するというシンプルなもの。外国人だけを特別に集計していないが、同社はその実数を「おそらく全体の数パーセント」と見積もっている。
同社の人材ビジネス事業は製造系、技術系、研究開発系、セールス系の4分野からなる。主力の「ファクトリー事業」では現業社員の約65%、1万人以上が稼働する。自動車、半導体、物流、食料品などを対象に製造・組み立て、検査・品質管理、仕分け、梱包などを手がける。
技術系分野を担う「テクノ事業」では半導体分野の実験や機械・電気部品などの設計開発を手がける技術者の派遣などを行う。稼働人員は約2,000名。
研究開発部門のR&D事業はバイオ・化学など専門分野の研究者や医薬品の安全性を管理する人材派遣などを行う。稼働人員を1割増やし約1,000名となっている。
セールス&マーケティング事業からは百貨店や量販店向けの販売スタッフやコールセンター向けオペレーターの派遣を行っている。人員は約700名減少し約2,300名となっている。これらすべての分野の現業社員の合計は1万6,000名超。
業容拡大を支える現業員は、同社の契約社員か正社員。一般に知られる「登録型」派遣は店舗の販売員などセールス&マーケティング部門が採用しているのみ。人材事業の約6割は正社員で契約社員は4割しか存在しない。このため派遣元企業との契約が終了してもワールド社から別の企業へ派遣される。研究開発はすべての現業員の約1,000名が正社員だ。
(つづく)
【鹿島 譲二】<COMPANY INFORMATION>
代 表:伊井田 栄吉
所在地:福岡市博多区博多駅前2-1-1
設 立:1993年2月
資本金:7億6,800万円
売上高:(17/12連結)1,271億4,700万円関連キーワード
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