CMC20周年記念式典を開催
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5月12日、福岡市の都久志会館で、「(一財)カンボジア地雷撤去キャンペーン」(CMC)の20周年記念式典が行われた。式には大谷賢二代表のほか、歴代の駐在員および関係者らが出席した。
CMCは1998年5月設立。大谷代表が中心となり、カンボジアでの地雷撤去のボランティア活動を始め、経済発展が著しいカンボジアにおいて、これまでの活動で培った人脈を生かしたビジネス支援を精力的に行っている。
会では冒頭、来賓者としてあいさつを行った福岡市教育長・星子明夫氏が「(大谷氏は今まで何度も手術を受けながらも)どのような逆境からも不死鳥のように甦ってこられた。1人で始めた運動がここまで大きくなったのは、人類愛に溢れていたからこそ」と、大谷代表のこれまでの功績を称えた。医師でNGO福岡ネットワーク代表の二ノ坂保喜氏は、「行動の原点が私利私欲ではなく、カンボジアの人たちのためにと身をなげうって活動されている。人柄、行動力、ネットワーク。ビジネスの世界でもユニークな人物」と評価した。
大谷代表は、これまでの20年間の歩みを振り返り、活動前に多くの地雷被害者と出会って「何かできないか?」と考えたが、「実際は相当お金がかかるのではないか」という懸念を抱いたエピソードを話した。だが、1m2の地雷原を75セント、日本円換算で約100円あればきれいにでき、3,000円で義足を提供できるということを知る。「中洲で一晩飲んで数件ハシゴすれば3万円になる。1回の飲みで地雷原300m2をきれいにでき、義足を10足も提供できる。私自身の考え方が変わった」と述懐した。
大谷氏は、現地で地雷被害者の就業支援や地雷原での教育支援を行ってきたが、日本国内では、東日本大震災を始め、熊本地震、昨年7月に発生した朝倉の九州北部豪雨などの自然大災害の発生により、寄付などの支援がなかなか集まらない状況が続く。そこで寄付が難しければ、年賀状などの書き損じの葉書の提供を呼びかけたところ、2017年4月から今年3月までの一年間で451万6,716万円の支援を得ることができた。葉書3枚で約1m2の地雷原を撤去できる。
また、就業支援では、今年3月、ポップィ村で「養豚プロジェクト」を1年間の準備期間を経てスタートさせた。養豚を行い、それを売ったお金で生計を立てる。被害者の自立をサポートする活動も積極的に行っている。
「昨年は58人が地雷により命を落とした。現在も300~400万個の地雷が眠っているといわれている。我々の活動により、平和ですばらしい文化・文明をもっているカンボジアを元の姿に近づけたい。あと、もう1つの目標は、発展する首都プノンペンと地雷原のある村との格差の解消だ」と語った。
なお、会では、カンボジアの地雷撤去活動家で、「アキラ地雷博物館」の館長であるアキラ氏が日本語で基調講演を行い、自らの凄惨な戦争体験などを語った。
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