「脊振の自然に魅せられて」 『タンナサワフタギ』ハイノキ科 ハイノキ属
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梅雨の季節の山歩きでは普段見られない趣のある光景が見られます。霧(ガス)のベールで包まれた山容や木々たちのシルエットが自然の素晴らしさを表現しています。
脊振を代表するブナやリョウブの林が霧のなかで幻想的に佇んでいます。そんな幻想的な縦走路を歩くのが、この時期の魅力なのです。梅雨の時期の山の花、ドウダンツツジ、カマツカの花などが咲く中にタンナサワフタギが白い小さな花をたくさんつけて静かに霧のなかに佇んでいます。
タンナサワフタギとの出会いは2年前です。脊振の縦走路にたくさん咲いているのを見つけました。
昨年、カマツカの白い花と一緒にタンナサワフタギが並んで咲いているのに遭遇しました。私は思わず驚きの声があげ、その光景をしばらく見つめていました。霧の露を含み、葉も花も雫がしっとりと下がっていました。
カメラを出しシャターを切ります。ファインダーを通しての花との会話の時間です。撮影が終わると『ありがとう、来年も会おうね』と心のなかで花に声をかけて金山方面へと脚を向けました。
するとブナ林のなかに、白いベールで着飾ったタンナサワフタギが1本、目に飛び込んできました。灌木なのでブナより小さいのですが、まるでブナをお供に白いウエディングベールをまとったかのような姿でした。10m先の斜面でしたので、手ブレしないように近くの枯れ木に寄り添いシャターを切りました。
霧の中、ウエディングベールのシルエットはとてもすばらしいものでした。近くでは何本ものタンナサワフタギの花が咲いていました。
この光景は一生忘れられないものになっています。追伸:帰宅して、妙に手先が痒いので、よく見ると小さな傷口が2つ、ダニの傷口です。すぐに皮膚科に行きました。医者からは「何のダニに食われたのか?」と聞かれました。マダニを心配したようです。あの枯れ木に寄り添ったのがいけなかったのです。
山で撮影していると時々虫にやられることもあります。2018年6月7日記
脊振の自然を愛する会
代表 池田 友行関連キーワード
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