業界が抱える魅力不足を先陣切って打破、企業規模のさらなる拡大へ(後)
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(株)エフ・ティ・エス
今はまず原点回帰すべき時期にある
「私が考える永続的発展を可能にするには、まずは日々の創意工夫。そして小さな変化を積み重ねることです。そうすれば10年後も20年後も30年後も、もっというなら私の次の世代まで、エフ・ティ・エス社員やその家族、そして弊社に関わるすべての方々の安定した環境づくりが実現できるに違いない。そう確信しています」。
予期せず代表取締役に就任し、懸命に亡き父の後を追いかけてきた福澤氏にとって、永続的事業運営は理想のなかの理想なのだろう。取引先の信頼、有能な社員、そして他社を圧倒するノウハウを備え、傍目にはすでに堅固に映るエフ・ティ・エスだが、理想を高く追い求める福澤氏からすれば、これからが本当の勝負だ。今は原点回帰を念頭に顧客と向き合い、もう一度自分たちの存在意義を実感できる場づくりに注力しているという。そして社員と一緒に汗をかくことで、未来に向かうためのたしかな手応えをつかみたいと語る。
また、機会があれば将来のビジョンについて社員たちのアイデアや意見を聞いてみたいという。その答えのなかに福澤氏が考える理想と合致したものが出てくるかもしれないし、たとえ見当たらなかったとしても、彼らの熱い思いを受け止めた時、思い描くべきビジョンは明快なカタチを示すことになるだろう。
「私たちの業界は、人手不足で人材が確保できないと言われていますが、その背後にある本当の理由は業界そのものの、魅力不足だと考えています。優秀な人材の確保もやり方次第ではないでしょうか」。
福岡、鳥栖、宮崎、鹿児島の営業拠点に配された精鋭はその数37名、17年度の売上高は32億円。お世辞抜きに見事な数字だ。これからやる気にあふれた人材をさらに迎え、飛躍の原動力にしたいと語る。そのためには業界全体が抱える「魅力不足」をまずは同社が先陣を切って打破することが必要だ。前期より積極的に取り組んでいるのは、九州内の同業者がほぼ実現していない週休2日制導入のための業務の効率化だ。こうした努力が結実することで企業規模はいっそう拡大していくだろう。そうすれば福澤氏の葛藤もますます大きくなるだろうが、その向こうに彼が何を見るのか。次の取材が楽しみだ。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:福澤 裕士
所在地:福岡市博多区吉塚4-6-17
設 立:2000年3月
資本金:1,800万円
TEL:092-624-2938
URL:http://www.f-ts.co.jp<プロフィール>
福澤 裕士(ふくざわ・ゆうじ)
1978年4月、宮崎県生まれ。大学卒業後、2001年に(株)エフ・ティ・エス入社。福岡・宮崎支店で営業を担当後、10年7月、父・福澤利弘氏の急逝により、代表取締役に就任。中学から大学まで続けたラグビーは、今では社会人チームに所属して楽しんでいる。スポーツで汗を流すことが好きな社長である。関連キーワード
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