2024年12月23日( 月 )

130棟以上、約1,500戸の供給実績、人気の秘訣はキャッシュフローと利回り(前)

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キミヱコーポレーション (株)

キミヱのアパートは「1戸1万円の手残り」

19年春完成予定のマンション(イメージパース)

 投資用アパート・マンション販売会社・キミヱコーポレーション(株)。同社の手がけるアパートは、「敷地は100坪で8~10戸、1戸に対し、駐車場1台程度の広めの敷地を確保」が基本プランだ。入居者のターゲットは単身者のほか、DINKSと呼ばれる共働きで子どものいないカップル。適切な立地に適切な間取りのアパートを提案し、投資家の信頼を獲得してきた。手元にお金が残る――同社のアパートは1戸1万円の手残りを目安に企画されており、そのための工夫が随所に見られる。

 主な顧客層は給与所得者で、少ない初期投資と安定したキャッシュフローを最も重視する層であり、それを実現できていることが同社のアパートが信頼を集めてきた最大の理由だ。キャッシュフローはアパートの賃料収入だけでなく、太陽光発電システム搭載による売電収入、銀行返済、諸経費などにより左右されるが、これらの条件がすべてそろう物件はむやみに供給されるわけではないため、投資家がキミヱコーポレーションの新たな企画を待っている状況だ。

 田中勝也社長は自社の商品企画について次のように話す。「お客さまに儲かってもらうことが、弊社に対する信頼になります。不動産投資は事業です。きちんと収支を試算し、手元にお金が残らないようでは、事業とはいえません。弊社のアパートは、『自分が借金してアパートを建てるとしたら』という視点に立って、企画しています」。

 土地の価格高騰や建築コスト高止まりのなかでも、自社施工にすることでアパートの平均利回りは7・5%以上と、業界平均よりも高いのが特徴だ。近年はファミリー向けのアパートに注力しており、間取りは60m2前後で2LDKと広めの物件が多い。ファミリー向けにすることで、単身向けと比較して入居期間が長期になる傾向にあるといい、利回りの安定化を図っている。

福岡・北九州で130棟、1,500戸の実績

 グループ会社の(株)キミヱでは、市場調査から土地仕入れ、資金調達、用地選定を行い、キミヱコーポレーションが建築工事、不動産売買、仲介を手がける。これまで福岡市および北九州市近郊を中心に130棟以上、約1,500戸の供給実績を誇る。人口増加を背景に福岡市周辺の不動産市場は注目を集めており、東京支店を開設したことで首都圏の投資家にも福岡市周辺の物件を案内する体制が整い、新たな顧客層の開拓にもつながっているようだ。

 このように、福岡市の不動産市場への注目は全国的に高まっているが、北九州市に目が向いている投資家は少ない。人口が減少傾向にあるとはいえ、北九州市はなお95万人以上の人口を抱える政令指定都市だ。たしかに、アパート経営をするにあたって人口動態は大きな指標の1つであるが、適切なエリアに建てれば、人気市場の福岡市に匹敵する利回りを得ることは難しくない。県内トップクラスのアパート業者でも、北九州市は「手を出しにくいエリア」として知られている。北九州市は1963年に5市による合併で誕生した歴史をもち、面積が広く、マーケティングが難しいエリアだ。しかし、同社代表の田中氏は北九州市で育ったこともあり、北九州市の地理に詳しいのが強みだ。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中 勝也
所在地:福岡市博多区博多駅東3-13-21 エフビル2F
設 立:2003年7月
資本金:3,000万円
TEL:092-432-3477
URL:http://www.kimie.jp

<プロフィール>
田中 勝也(たなか・かつや)
 1964年4月21日生まれ、北九州市出身。早稲田大学卒。趣味はゴルフ。

 
(後)

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