2024年11月21日( 木 )

九州で最も身近な住まいのプロ、地域に根差した素早い対応でさらに邁進(前)

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(株)キユーハウ

住環境づくりのプロフェッショナル

 質が高い住宅建材や住宅設備の充実したラインナップを、九州一円に提供する(株)キユーハウ。建材・設備機器だけでなく、屋根・外壁工事やプレカット資材、太陽光発電などを提供することで、工務店や建築会社をトータルでサポートしている。かつては福岡内に数多く存在した木材関連の競合他社の多くが、時代の変遷とともに淘汰されていくなか、同社は世の中のニーズをいち早く察知し、迅速に対応することで一歩一歩確実に成長を遂げてきた。その堅実な経営手腕は借入れのない無借金経営にも裏付けされている。

 同社の創業は1957年1月、城井輝男氏が福岡ベニヤ商会を興したことに始まる。61年2月に(株)福岡ベニヤ商会として法人設立、その後、城井氏の病気療養のため、現会長・岩永清氏が経営権を譲り受けた。71年に九州ハウジング(株)に商号を変更し、さらに85年に現商号に改変。激変淘汰の時代を、その先見の明とスピード感のある采配で乗り越えた。2001年に岩永彬氏が代表取締役社長に就任。清会長が築いた事業基盤を発展させるかたちで、さらなる飛躍を遂げている。

 現在、同社は福岡市東区の本社に加え、福岡・熊本・鹿児島・宮崎に8つの営業所と、プレカット事業部、太陽光照明専門の「スカイライトチューブ熊本」を展開。また、グループ企業の九州ハウジング(株)、九州ホーム(株)、(有)ケイ・シー・エムとは、双方向型の幅広い営業ネットワークを形成。その豊富な情報を生かし、地域ごとのニーズに、迅速かつ、きめ細やかに対応している。地元から信頼される、住環境のプロフェッショナルとして確固たる地位を形成している。

 17年で創業60周年を迎え、61年目を踏み出した同社。時代を見据えた技術革新と、顧客開拓で変化し続けてきたが、どんな時も変わらない信念がある。それは顧客たちに、住まいづくりに関わるあらゆる素材を「ジャスト・イン・タイム」で提供するという、揺るぎない方針だ。

 この方針を全うするために、同社は常に3つの視点を忘れない。1つ目は、「住まう人」の視点。エンドユーザーである入居者が求める安全・安心・快適な住まいのあり方を常に見つめ続けることで、市場にあった資材や商品を提供する。

 2つ目が「コンプライアンス」。すなわち、法令遵守(コンプライアンス)に基づく「企業倫理」に準じた視点だ。そして3つ目が「地域主義」。地場企業として、九州独自の風土や生活感に則した住まいづくりをサポートする。この3つの活動指針を貫いてきたことこそが、取引先や、その先にいる入居者に深い満足を与え、九州きっての住宅関連商材業者として名を馳せる所以だ。

技術を磨き、さらなるニーズに応える

 市場のニーズを見据え、先手を打つことで成長してきた同社。その最たるものが、プレカット加工への着目だ。プレカット加工とは、住宅建築に用いる木材を工場の機械であらかじめ加工しておき、現場では、ほぼ組み立てるだけで済む工法のこと。大工が現場で1つひとつ手作業で加工する従来型の工法と比べ、大幅に工期の短縮や、コストダウンを図ることができる。

 現在では、新築戸建の約90%に活用されるほどポピュラーになったプレカット加工。同社が導入を開始した1989年当初は、まだほとんど流通しておらず、大工たちからも、なかなか歓迎されなかった。しかし、その利便性の高さなどから、必ず今後の建築に必要になると岩永社長は判断した。2002年には本社内にプレカット工場を設立、顧客への提案を進めた。さらに07年にパネルプレカット工場を開設したことにより、さらに精度の高い木材の提供を可能にした。従来の建材・住宅設備機器事業とも相乗効果を発揮し、取引先と新たなビジネスを創出。事業の拡大に大きく寄与することとなった。建築現場の多くが、職人不足に悩まされる昨今では、作業効率の向上に大きく貢献するとして喜ばれる、主要サービスの1つとなっている。

 同社のプレカット資材は、50%以上が地元の木材などを活用した国内材。地場産の木材を活用することで、地域の林業・木材産業関連事業者との連携が強まり、木材自給率の向上や、森林の再生にもつながる。木の香りのする良質な建物は、人々に清々しさと安らぎを与える。その効果からも、同社の資材を用いた建築に対する公共施設からのニーズは高い。

 こうしたニーズに応え、プレカット事業をさらに発展させるため、14年からグループ会社の九州ハウジング(株)に、国内最大級の大断面加工機を導入。資材の全長12mまで加工可能となった。加えて工場も新設したことから、大型の非住宅建築用木材のプレカットを開始。政府や各自治体による国産材使用推進の風潮にも後押しされ、とくに幼稚園や小学校といった教育機関用の資材としての受注が好調に推移している。

 サイディング(外壁素材の一種)にもプレカット加工を開始し、ますます、その供給幅を拡大。顧客からの要望に柔軟に応える体制を整える。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:岩永 彬
所在地:福岡市東区箱崎ふ頭4-3-5
設 立:1961年2月
資本金:4,500万円
TEL:092-631-3781
URL:http://www.kyu-hou.co.jp

<プロフィール>
岩永 彬(いわなが・あきら)
 1971年、福岡県で生まれる。2001年に父である現会長・岩永清氏の跡を継ぎ、(株)キユーハウの代表取締役社長に就任。(一社)福岡県木造住宅協会(FBN)事務局担当として、国産木材活用にも貢献する。

 
(後)

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