豪雨災害から1年~朝倉市で追悼式開催
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福岡・大分両県で合わせて40人が犠牲となり、今も依然として2人が行方不明者となっている九州北部豪雨はきょう5日、発生から1年を迎えた。
同日、最も被害の大きかった福岡県朝倉市では、「平成29年7月九州北部豪雨災害 朝倉市追悼式」を開催。会場となった同市杷木久喜宮の「朝倉市多目的施設・原鶴地域振興センター」(愛称:サンライズ杷木)には、1年前を思い出させるかのような、あいにくの激しい雨のなか、遺族や被災者を始めとした市民ら約400人が参列し、犠牲者を悼んだ。
冒頭、朝倉市内の犠牲者33人全員の名前が読み上げられ、冥福を祈って1分間の黙とうを実施。続いて、地元の朝倉高校音楽部が献唱として「私のふるさと あさくら」を歌いあげた。
式では遺族代表として、両親を亡くした井上洋一氏と、妻と臨月中の娘、孫の3人を亡くした渕上洋氏の2人がそれぞれ祭壇に向かって哀しみの言葉を発した。
「今も雨が降るたびに両親のことを思い出す。まだ現実として受け止めることができません。もっと何かできなかったか――今も悔いが残ります」(井上氏)、「娘は孫を、妻は2人を守るように覆いかぶさって亡くなっていました。妻には『よく頑張ったね』と、娘と孫には『守ってあげられなくてゴメン』と声をかけました。街中で『失ったものも大きい。でも負けてはいられない』との標語を見ましたが、失ったものが大きすぎます。でも、ここでくじけたら娘にしかられます」(渕上氏)と、それぞれが亡き家族への想いを告げながら声を震わせると、会場内の至るところからすすり泣く声が聞こえた。
祭壇の前に立った朝倉市長・林裕二氏は、犠牲者への心からの哀悼の意を示すとともに、「二度と犠牲者を出さない、命を守る安全な地域づくりを市一丸となって進めていきます」と固く誓った。
追悼の辞では、福岡県知事の小川洋氏を始め、衆議院議員・原田義昭氏、参議院議員で一億総括役担当大臣の松山政司氏、朝倉市議会議長・中島秀樹氏、福岡県議会議員・栗原渉氏の5名が挨拶。「被災者1人ひとりが直面する課題や悩みに寄り添い、全力で取り組んでいく」(小川知事)、「安心して暮らせる社会の実現に向けて取り組んでいく」(松山大臣)など、1日も早い復旧復興に向けて全力で取り組んでいく旨を強調した。【坂田 憲治】
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