2024年12月28日( 土 )

シリーズ・地球は何処に向かう、日本人はどうなる~日本列島は終焉に向かっているのか(1)

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傲慢な文明が異常気象を招いた

 「なんでこんな異常な進路をたどるのよ!!」と台風12号の進路を見ながら誰もが悲鳴をあげたことだろう。中国地方から西下して福岡県豊前市に上陸するとは恐れ入った。ただ台風の勢力が衰えていたため、大きな被害が出ることはなかったのが幸いだ。

 台風が自力で動けないのは周知のことだろう。台風12号の北上を妨げたのは、(1)「偏西風が異常に北に偏っていること」(2)「北太平洋高気圧が異常な強い勢力を誇っていること」という2つの要因がある。

 北太平洋高気圧の発達により東北・北海道も前例にないほどの猛暑になっている。先日、埼玉県熊谷市が日本再最高気温を更新したのが話題になった。「この夏の熱中症死者は2,000人を超すのではないか?」との予想もあり、警戒されている。

 北極圏では連日、30度を超し、北極の氷が解ける可能性が高まっている。逆に南極ではマイナス90度を超える超低温寒波が襲っているそうだ。

 「いったい地球はどうなっていくのか!!」という不安感を一般庶民も抱くようになってきた。「オイル・石炭に頼ってきた現代文明のツケが異常な高温を招き、人類の生活を脅かすようになってきた」というのが自明の理になってきた。

 確かに「人間の傲慢な文明が地球を壊す、種・人類を消滅させる」という説の信憑性は高まってきた。ところが最近、「人間、どうあがいても長くても10万年もすれば地球の進化によって絶滅する」という専門家の意見を耳にすることが多くなった。

地球の進化の前では人間の英知は儚い

 週刊朝日(8月3日号)で東京大学大学院薬学系研究科の教授で脳研究者の池谷裕二氏が、エッセイシリーズ『パテカトルの万脳薬』のなかで「要するに生物は次々と入れ替わっているのです。毎年4万種が絶滅しているかもしれませんが、一方では新種も多く誕生しているため、20万年もすれば地球上の生物種はすっかり入れ替わってしまう」と述べている。

 原生人類であるホモ・サピエンス誕生の歴史は約20万年前だといわれている。地球誕生から、この星は大胆で激烈な進化を進めてきた。この進化に対応できなかった種は絶滅してきたのだが、その実例が恐竜だろう。

 種の進化には法則があり、20万年周期で、すべての種が淘汰され、新しい種が誕生するそうだ。であれば専門家の方々も、もう少し大きな声で「人は地球上で超越した存在ではない。たかが人間という種の1つだ。地球の進化についていけず、いずれ消滅する」と説いていただきたいのだ。

 4~5日前、大学の名誉教授になった地質学専門の友人と議論をした。彼は「地球の地質の歴史を研究すればするほど、どのような種も絶滅の運命を免れないということを確信した。人類もほかの生物同様に、地球環境に支配されていることを謙虚に受けとめなければならない」と淡々と語ってくれた。
人間も厳しい地球の掟に諦観をもって望めば、世の中はもう少しまともになるだろう。

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