井筒屋が3店舗閉鎖~厳しさ増すデパート業界(1)
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老舗百貨店の井筒屋(福岡県北九州市)は7月31日、黒崎店(同)、連結子会社のコレット井筒屋が小倉駅前で運営するコレット(同)、山口井筒屋が運営する宇部店(山口県宇部市)の営業を終了すると発表。宇部店は12月31日。コレットは2019年2月28日。黒崎店は同5月31日に順次閉店すると発表した。
同日記者会見した影山英雄社長の要旨
・「長引く営業不振に加え、賃料や修繕費の負担が重く、立て直しが難しいと判断し、3店の営業を終了することにした。収益の改善が見込めない店舗の構造改革を進めることで、経営資源を主力の小倉本店(北九州市)に集中する。」と述べた。
・「今後は自己資金で投資できる店の規模にするしかない」と語り、北九州銀行などメイン行には「債務免除などを求めておらず、提携スポンサーについても交渉していない」と語っている。
・経営責任について問われると、「今後のかたちを定めるまでやり遂げたい」と明言を避けた。
・19年2月期の業績予想については、当初予想の売上高784億円、営業利益11億円、経常利益4億円は据え置くが、3店の営業終了にともない、約34億円を特別損失として18年8月期(中間)決算に計上する予定にしており、純損益は未定としている。
井筒屋の経営状況を検証する
1.損益計算書の推移について 【表1】を見ていただきたい。
<この表から見えるもの>
◆売上高について
・18/2月期の売上高は前期比▲13億4500万円の783億円。毎期前年比マイナスが続いている。11/2月期の売上高は905億円あったが、7年間で▲122億円と大きく減少しているのがわかる。・19/2月期の売上高784億円の予想を修正していない。3店舗の閉鎖が直接影響するのは宇部店の閉店が18/12月で、2カ月分が減収となる。閉店セールで埋め合わせるつもりなのかもしれないが、目標の達成は難しいのではないだろうか。
◆一般管理費販売について
・一般管販費のうち、役員報酬・給料47億200万円についで、賃借料27億8000万円が大きく目に付く。賃借料の交渉をしても下がらなかったため、コレットと黒崎井筒屋の閉店を決断したものと見られる。◆当期純利益について
・18/2月期の当期純利益は6億7500万円。しかし、19年2月期は3店閉店にともなう特別損失34億円を計上する予定にしているが、従業員の早期退職費用などは試算できておらず、損失額は、さらに大きく膨らみ、再び赤字に転落する可能性が高くなっている。(つづく)
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