2024年11月29日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~中国反撃 天然ガスで米国に報復へ(前)

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 アメリカの大豆を満載した「ピーク・ペガサス」が海を漂流して、すでに一カ月になる。

 今年7月6日、アメリカの中国製品340億ドルに対する25%の関税発動に報復するため、中国も同等の規模のアメリカ製品に関税を賦課することを宣告したが、大豆はこの関税リストに入っている。中国の関税発動までに大連港に到着するため、「ピーク・ペガサス」は7万トンの大豆を積んで海上を急ぎ、中国のSNSで大いに注目された。残念なことに、外部からの応援も実らず、「ピーク・ペガサス」の中国到着は間に合わなかった。

 現在、この可哀想な船は一カ月にわたり、2,000万ドルを超える大豆とともに目的地もなく海上をぐるぐると回っている。船の貸出料が一日当たり12,500ドルなので、すでに40万ドルを超える追加費用が発生していることになる。 
 排水量43,000tの「ピーク・ペガサス」は、中米間で真っ向から対立している貿易戦争の潜在的な結果の象徴となっている。貿易戦争の勃発以降、世界最大の輸入国――中国が代わりとなる供給源を探していることから、アメリカの大豆の市場価格は下落している。 

 アメリカと中国は絶えず貿易問題で喧嘩をしているが、意見が真っ向から対立しており、和解の気配もない。

 アメリカのトランプ大統領は7日にニュージャージー州ベッドミンスターに所有するゴルフクラブに13名のアメリカ首席執行官(CEO)及び一部のホワイトハウス高官を招き、彼らとパーティを開いた。このパーティは「大統領が経済の状況、および今年の残りの期間における重要なポイント・考えを聞く機会」であると称された。

 ニューヨーク・タイムズの報道によれば、トランプはCEO達に対し、中国の習近平国家主席の「一帯一路」は攻撃的であるとして気に入っていないと話し、習近平に対してもこの考えを話したという。トランプ曰く、彼の今後における1つの重要な点は、中国の貿易における不公平なアドバンテージの獲得を阻止することだと語った。

 中米両国がともに、今月23日から相手方の商品160億ドル分に25%の関税を課すと相次いで発表した。トランプが依然として中国に対し不快感を示している頃、中国はすでにトランプの退路を断ちはじめていた。

 アメリカが中国に販売した液化天然ガスは5月の40万トンから7月には僅か13万トンにまで減少している。これは貿易戦争に面したアメリカのエネルギーサプライヤーが仕方なく行ったリスク回避の選択である。

 北京からの情報によれば、中国はアメリカの液化天然ガス(LNG)及び原油輸出に対する関税計画に乗り出しているという。これはアメリカのトランプ大統領のエネルギー輸出計画に打撃を与えるとみられている。周知のように、トランプのバックについている石油・天然ガスサプライヤーがその主な支持者であり、2017年11月の訪中時、彼がエネルギーに関する大口の契約を複数結んだのは、エネルギーサプライヤーのためである。

(つづく)


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