身の丈に合った事業展開で一歩一歩 手堅く進む日建建設
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同社のシンボル的存在だった、六本松・護国神社向かいの自社ビルの建替え準備に入り、本社事務所を博多駅東に仮移転中の(株)日建建設・金子幸生社長に話を聞いた。
(聞き手:児玉直・データ・マックス代表取締役社長)
――仮移転ということですが、なかなか便利な場所じゃないですか。
金子 はい。博多駅や福岡空港から距離的に近いこともありますが、都市高速のインターチェンジからもすぐですから、社員からは各現場との行き来に便利だという声が上がっています。
――とはいえ、こちらに腰を据えてしまうというわけにもいかないでしょう。
金子 それはそうですね。六本松の向陽ビルは日建建設にとって創業以来の歴史がある土地ですし、時間をかけて、弊社の新しい象徴となるビルに建て替えたいと考えています。
――さて、本業の方は最近お忙しいですか。
金子 おかげさまで、現在6つの現場を回している状態です。いわば、「予定通り手いっぱい」とでもいいましょうか。弊社は無理のない工事工程を保ち、高い品質の工事を遂行するのが強みだと考えています。社員を増やせば10件の現場を動かす、ということも可能かもしれません。しかし、そうすればどこかに無理が生まれます。昨年は7件以上を同時に回すタイミングもありましたが、そうなると取締役や管理職が現場に出るという状況になります。それは日建建設として望む姿ではありませんからね。
――現在は、地方自治体の公営住宅の建設や建替えを受けておられますね。
金子 市営大井住宅(博多区)や市営下山門住宅(西区、九州建設とのJV)などですね。公営住宅は築45〜50年ほどで建て替えたり、エレベーターを外付けで設置したりするなどの大規模修繕を行います。福岡都市圏では、来年度で一段落というところでしょうか。
――今後の見通しについてはいかがでしょうか。
金子 先程も申し上げましたが、現在6つの現場を回しており、業務量としては想定通り忙しくさせていただいています。本社ビル建替えは時間をかけて取り組んでいくことになりましたが、売上や利益に直結しない自社事業ですから、無理に急ぐ必要もない。じっくり取り組めることは、むしろ好材料だといえるでしょう。
少数の現場を回していくことが、弊社の強みです。無理な事業拡大を目指しませんから、大きく落ち込むこともありません。これまで通り、しっかり事業を進めていきたいと考えています。【深水 央】
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