2024年11月25日( 月 )

高い技術力を生かしコンプライアンスを実現する鉄筋溶接技術を開発(前)

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(株)アクティス

 鉄筋継手工事などを手がける(株)アクティス。同社は「継手創造企業」というスローガンを掲げ、鉄の結合技術集団という自負をもつ。そして、手がける領域を鉄筋、そしてレールへと広げている。さまざまな現場に応じた継手施工技術をもつ同社が、研究開発を行い、その技術とともに市場に送り出したのが高強度鉄筋専用継手「アクティス継手工法3CW」。機械式継手と溶接式継手の利点を生かし、高強度鉄筋を溶接で継ぐ工法で生産性向上と高品質を実現する。この工法は日本建築センターと日本鉄筋継手協会より認定され、継手のコンプライアンスを実現する工法として注目されている。

多種多様な継手技術

▲高強度鉄筋専用継手「3CW」

 1900年ごろ、国内で初めて鉄筋コンクリートによる建築工事が行われた。当時の継手はすべて鉄筋の部材同士の端を、一定の長さで重ね合わせて継ぐ「重ね継手」であり、オーソドックスだが手間がかかる施工であった。それから100年を越えた現代においても、コンクリート製の建築物には鉄筋が組み込まれている。ただし、圧接継手や溶接などの施工技術とその関連製品は多種多様の様相を見せている。

 「重ね継手」から始まった継手は、アセチレンガスによる「ガス圧接継手」が開発されたことで、より太径鉄筋の継手が可能となり、大型構造物の施工も容易にできるようになった。今では天然ガスによる「エコウェル工法」も生み出されている。そのほか、「溶接継手」や「機械式継手」が開発され、多種多様な現場条件に適した鉄筋継手を使い分けることにより、工事の効率化などに大きく貢献するようになった。

絶対品質実現への挑戦

▲鉄筋と棒鋼は摩擦圧接法で接合

 同社は大野城市に本社を置き、鉄筋ガス圧接工事を施工、福岡の多くの建設工事に携わることで名を馳せてきた。創業は1971年、三協ガス圧接の九州支店として営業を開始したのが始まり。その後、現会長である橋本好正氏が(株)九州三協を設立。鉄筋のガス圧接工事からエンクローズ溶接工事、鉄道のレールの継手工事など事業の幅を拡大、全国の軌道工事やビルなどの建築工事に向け、鉄の結合技術の技術者集団を形成していった。2代目となる現代表の河村貴夫社長は、同社が積み重ねてきた技術を信用に変えることを信条とし、事業の深耕と拡大を図ってきた。
 施工工事などを請け負うなかで、自社がもつオンリーワンの技術に特化し、長年にわたって専門技術を蓄積してきた。たしかに、専門工事業者として特化することによって誰にも真似できない付加価値は積み重ねられる。だが、企業として今以上に発展していこうと考えたとき、技術だけの会社ではあまりにも心もとない。技術や施工などは日々進化しており、最先端であった技術でも、時代の流れとともに一気に時代遅れとなる可能性もある。継手の歴史を紐解いてみてもわかるように、建築物の進化や時代環境に合わせて、鉄筋継手も常に進化している。

 そうしたなか河村社長は、同社の技術をオンリーワンのものに絞るのではなく、「絶対品質を実現できる技術」という理念を基に、技術の幅の広さをもつ会社を目指した。顧客が求めている技術やサービスを増やすことで、販路の拡大を図ったのである。しかも、幅広い分野の技術をもつ施工会社だけにとどまらず、同社の理念である“絶対品質”を実現できる継手工法の開発に着手した。継手施工会社であった同社が自社内に技術開発室を置き、河村社長を先頭として社員一丸となった製品づくりが始まった。そして高強度鉄筋専用継手「アクティス継手工法3CW」の開発に成功したのだ。

▲半自動園クローズ溶接「GE-A工法」の認定を取得

(つづく)

【道山 憲一】

<COMPANY INFORMATION>
代 表:河村 貴夫
所在地:福岡県大野城市仲畑4-2-38
設 立:1977年2月
資本金:1,000万円
売上高:(18/3)4億8,000万円

(後)

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