2024年10月08日( 火 )

日本の白を再発見!~六本木ヒルズで『白展』開催!

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 9月1日(土)から19日(水)まで、OKANO六本木ヒルズ店2階ギャラリーで、「日本の白を再発見 『白展』」が開催中である。博多きもの製作所「OKANO」とフレグランスブランド「IZUMI KAN」とのコラボレーション企画である。Yuki OONAKAHARA(ガラス作家)、山田ゆかり氏(抽象画や写真とのコラボで斬新な世界を創造する新進気鋭のアーティスト)、前芝良紀氏(撮影やショップなどの空間装花を得意とする作家)という3名の芸術家が加わり、大都会の喧噪のなかで、静寂な「白の空間」をつくり出している。

2017年で創業120周年を迎えた老舗

▲左から浜田剛知代表、山田ゆかり氏

 博多きもの製作所「OKANO」は、初代岡野新一郎が1897年に日本最古の禅寺で博多織の開祖・満田弥三右衛門の菩提寺でもある聖福寺の正面に織工房を設立したのが始まりとされる。当初から、伝統的な博多織の粋を超えたさまざまな織物を制作、2017年で創業120周年を迎えた。現在では、皇室献上の衣装や日本最古の禅寺の袈裟から現代アートに至るものまで、職人の卓越した技と感受性をもって、幅広く制作している。その作品は内閣総理大臣賞、文部科学大臣賞、国土交通大臣賞、経済産業大臣賞など数多くの受賞歴がある。

IZUMI KANは、国産の香りブランド

 一方、フレグランスブランド「IZUMI KAN」は、本年5月25日に、ジャパン・グローバル・アソシエイション(東京都世田谷区、浜田剛知代表)によって発売された国産の香りブランドである。香りのアーティスト和泉侃氏は香りのブランディングを専門とする外資系企業の日本法人に4年在籍。在職中に、5つ星ホテルやさまざまなトップブランドの香りによる空間デザインなどの経験を経て独立。現在は、さらなるフィールドや視野を広げるために、香りの発祥地である淡路島と東京の2拠点で活動している。

日本人の白は、米、塩、絹、真珠など

 今回のコンセプトは「日本の白を装い、香りを移す」である。もともと『白展』はOKANOが日本の白をテーマに、現代社会へ白の再発見を提案するプロジェクトとして発足した。そこに、香りを通して縁のあったIZUMI KANが共催で加わった。OKANOは日本の白を「絹」とし、IZUMI KANは「米」と据えて提案している。

 白は、陰陽五行では「金(ごん)」にあたり、方角は西で、守護神は白虎である。また日本人に親しみやすい白としては、米、塩、絹、真珠などがある。共催者の浜田剛知代表は、「今、若者には、白いTシャツ、白いパンツ、白い靴など白が文化として根付いています」と語る。白い着物については、会場で、メーカーのOKANOだからできる、「白生地をお客様好みの色に染め上げる」コーナーも設けられた。IZUMI KANは代名詞であるお香や香水はもちろんのこと、本会場限定の「米」の香りでもてなしてくれる。

 さて、読者諸兄は「白」から何を連想されるだろうか。この連休に六本木に行かれる方は、ぜひ、喧噪を逃れて、この静寂な「白の空間」を楽しんでみたらいかがだろうか。

【金木 亮憲】

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