存在意義は流動化すること 不動産で九州・東京・アジアを繋げる(後)
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(株)トリビュート
香港と日本の違い、福岡の将来性
香港の不動産市場は活況を呈している。「経済成長だけでなく、貸主と借主が対等な賃貸借契約にも要因があると思います。日本の賃貸市場は、ある意味で安定していますが、需要が高い時でも賃料は据え置かれるケースが多い。つまり、オーナーとしては収益を上げるチャンスが少ないのです。これは借主優位の法律によるものです。これらの要素をクリアできれば、まだまだ日本の不動産価値は上がっていくのではないでしょうか」と香港にも拠点を構える同社ならではの、日本との不動産事情の違いについて話してくれた。
福岡市については、利便性の高い交通インフラが整備されれば今以上に発展していくという。福岡の魅力は九州に限らず西日本からも人口が流入しており、アジアの玄関口として交通インフラの整備、それにともなう開発などが見込まれ、まだまだ余白が多いからだ。とくに博多駅から南側は交通インフラが整備されれば、まだまだ伸びる余地があるという。
東京・浜松町で不動産業に特化したビル開発
不動産で最も大切な要素は「立地」といって間違いないだろう。ただ、これまでの同社の取り組みを見てもわかるように、立地の良い不動産でも「再生」が必要な物件は少なくない。地型が悪い、入居率が低い、賃料が安い、用途がニーズに合っていないなど、土地、建物の課題だけではなく権利関係にも課題を抱えている不動産が多いなか、同社では売主や買主などの1次情報者との交渉を重点的に進めることで、課題を抱えた築古ビルを再生させてきた。
東京都心では、新しい形態のオフィスビルを開発する計画だ。不動産業に特化した個人事業主向けのオフィスビルとなる。これは、働き方改革の推進により、企業は従来のような雇用形態を維持できなくなる。これにより個人事業主が増加する―という考えによるものだという。トリビュートの強みを生かした、小規模ながら立地の良さを生かしたビルとなる。
情報の確実性や再生実績により、業績も右肩上がりで推移。右記のように東京での自社開発にも着手した。「目の前の課題を一生懸命解決しているだけですが、社員には高潔であることを常に求めています。業界に染まりすぎない、筋を通す。業界内ではこれだけでも差別化できるのです。今後も不動産再生を通じて、適正な市場創生に貢献していきたいですね」と、成長の秘訣について田中社長は話した。創業以来、物件情報の確実性を最も大切にし、さまざまな事業に取り組んできた同社。再生事業やアジア国際事業だけでなく、ついに着手した開発事業にも期待したい。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:田中 稔眞
所在地:福岡市博多区博多駅前3-27-24 博多タナカビル8F
東京本社:東京都港区虎ノ門2-9-14 郵政福祉虎ノ門第一ビル7F
設 立:2009年4月
資本金:1,600万円
TEL:092-292-2313 /03-6257-3801(東京本社)
URL:http://tribute-company.jp<プロフィール>
田中 稔眞(たなか・としまさ)
1980年8月12日生まれ、福岡市出身。不動産会社を経て2009年に(株)トリビュートを設立し、代表取締役に就任した。趣味は仕事。法人名
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