ウエルシアの次世代型シティDgS 進化する体験型店舗B.B.ON(2)
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男性顧客に好評の高品質UV剤
最近では、B.B.ONを訪れる男性客の美意識も変わってきているとか。小川社長によれば、「最近、男性もつけまつげやまつエクをつける人が増えています。営業職で、いわゆる『眼力』をつけるという目的があるのかもしれません。男性向けのUVケア商品、とくに高品質のものも売れています。40~50代の男性向けに、目の周りの小じわを消す美容液も売れています」とのことだ。
同店は、働く女性が自身の健康状態を気軽にチェックするための、簡易血液検査を行える検体測定室も設置している。健康意識の高い働く女性が増えていることから、検体測定室の利用者はこれから増えそうだ。
面白いところでは、カード決済率が高く40%を超えていることも挙げられる。一般的なDgSを始め、ウエルシアの店舗などでは、給料日後の売上が高いが、B.B.ON日本橋店はカード決済が多いためか、給料日に売上が左右されないという。
同店はオープン以来、スタッフの意識改革にも取り組んでいる。スタッフ1人ひとりが自分の売り場に対して「経営者」の意識になっているのだという。なかには、顧客の要望に応えるため、会社のルールを無視してでも商品を入れるということもあるのだとか。それだけ顧客を真剣に見ているということだ。
広告塔として、実験店舗として
同店は、高額商品の推売力も際立っている。この点について小川社長は「健康食品担当の青木千代子取締役ヘルスマネージャー・薬剤師がしっかり売り場を管理しているからだと思います。彼女がよく言っているのは、『自分ではこの日本橋店がよくわからないので、お客さまに聞いて育ててもらおうと決めた』ということ。この顧客本位の目線が高額商品の売上増につながっています」と話している。
小川社長はB.B.ONの経営方針には2つの視点があると強調する。1つは、ウエルシアの広告塔としての存在。B.B.ONばかりでなく、ウエルシア自体を知らない顧客もまだまだ多いため、ウエルシアの知名度を上げるのも同店の役目だという。
もう1つは、ウエルシアグループのモデル店舗としての役割だ。B.B.ONはさまざまなジャンルに挑戦する店舗として取引先の協力を得ているので、同店で成功した取り組みをウエルシアの都市型店舗、郊外型店舗に広げるということも役目だと考えている。
温活、妊活、菌活の「3活」に注力
B.B.ONは、セルフメディケーションの推進を目的に、「温活(体を温める)、妊活(妊娠しやすくする)、菌活(腸内細菌を整える)」の「3活」をテーマとして掲げている。健康食品売り場を担当・管理する取締役ヘルスマネージャー・薬剤師の青木千代子氏は、「3活」への取り組みについて、こう語る。「日本橋店をオープンするときに、『3活』をやりたいと思っていました。それに合わせて必要なものをこちらから提案し、環境を整えてきました」と語る
同店では、「3活」に役立つ、差別化できる商品を常に探している。メーカー、卸にとっても、提案しがいがあるのではないだろうか。「3活」のなかでも、最近は、「菌活」が話題になっている。「一番腸にいい腸内フローラは何だろう」ということで、青木ヘルスマネージャーは、勉強会にも出ているそうだ。青木氏は「お客さまと一緒に店をつくるという意識を強く感じます」と語る。
小川社長は、「社内にはスタッフが勉強するための部屋を用意しています。スタッフは毎月の労働時間の3分の1ほどを薬と化粧品の勉強に費やしています。これが本当の意味でのB.B.ON日本橋店の特徴です。こんなお店はほかにないと思います」と語る。
小川社長の言葉を受けて、青木ヘルスマネージャーはこう話す。「勉強をしないと、お客さまを納得させられません。商品を仕入れた以上は勉強しないと。勉強をしたら、今度はお客さまと話したくなります。お客さまに自分のカラダと向き合ってほしいと思い、月に1回健康相談会をやっています」。
(つづく)
【取材・文・構成:大川 善廣】関連キーワード
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