竹内県議を追い詰めた、立花孝志氏入手の情報漏洩文書 人ごとの対応を続ける斎藤知事
-
-
3月11日の斎藤知事会見以降、出禁(参加不可)状態が続いているので、会見場の出入口で待ち構えて声掛け質問を繰り返している。4月9日の斎藤知事会見では、年度末に提出された情報漏洩に関する第三者委報告書が未公表であることについての質問が相次ぎ、斎藤知事が読んでいないことも判明した。
そこで会見終了を告げた司会者が出入口の扉を開けた瞬間、斎藤知事に向かって声掛け質問を始めた。――知事、(第三者委の)報告書、なぜすぐ読まないのか。(担当者から)概略説明を受けていないのか。立花氏入手文書、誰がつくったのか。片山氏(元)副知事がつくったのではないか。(片山氏への)聞き取り調査の内容、(報告書に)書いてあるのか。それくらい、答えてください。(会見で)概略報告ぐらいしたほうが良いのではないか。
斎藤知事(以下、斎藤) 無言。
この日の会見で斎藤知事は、人事課などが報告書を精査中であることを理由に内容について一切説明せず、読んだことすら認めなかった。「概略説明ぐらいしたほうが良いではないか」と迫ったのはこのためだが、斎藤知事は無言のまま。納得がいかないので会見場から立ち去る斎藤知事を追って声掛けを続けた。
立花氏がネット上で公開した入手文書 ――報告書、読んだのか。なぜ読まないのか。すぐに読めるではないか。(報告書の)精査がいつ終わるのか。精査中でも読めるでしょう。(立花氏入手文書)片山副知事がつくったのかどうか。イエスかノーか。聞き取り調査をしたのか。中国人がつくったのか。岸口さんと中国人が(立花氏との)面談をしていますよ、一緒に。
斎藤 無言。
「中国人」と言ったのは、立花孝志氏への情報漏洩の黒幕的存在と見ていたからだ。3月5日の本サイト記事「立花孝志代表への情報提供で維新県議処分も真相は闇の中──明かされぬ文書作成者」で紹介した通り、この中国人は昨年11月1日の立花氏面談に岸口県議とともに同席、そこで元県民局長の私的情報や竹内県議らの批判などが記載された文書が提供された。しかも「片山元副知事が立花氏に会いたがっている」と伝えて面談を設定、体調を崩した片山氏の代わりに岸口県議を同席させた立役者でもあった。先の記事で「片山元副知事とのパイプがあり、岸口氏を情報の“運び屋”、立花氏を竹内県議への誹謗中傷の“叫び屋”として動かす中国人の民間人は一体、どんな人物なのか」とキーマンとして注目したのはこのためだ。
しかも元県民局長の押収パソコンにあった私的情報漏洩に関与したことも、中国人同席の場で立花氏が入手した文書内容から明白だ。
「元県民局長は過去10年以上にわたって複数の職員と不倫。この間、人事課長、教育次長、職員局長などの強力な人事権を有する職を歴任していた。(証拠はすべて公用パソコンにあり)」
この立花氏入手文書には、百条委印象操作の「黒幕(主犯格)」として「竹内(県民連合)、藤岡・長岡(自民)、丸尾(無所属左派)」と県議も列挙。告発者の元県民局長を貶めて、百条委で追及する県議を批判する内容になっており、これが立花氏の誹謗中傷の発端(情報源)となったのは確実なのだ。県庁内で厳重に保管されるべき元県民局長の押収(公用)パソコンにあった私的情報にアクセスできる幹部職員と、面談を設けた中国人が“共謀”して立花氏に情報漏洩文書が提供されたようにしか見えないのだ。
そこで2月19日の斎藤知事会見でこの文書について聞いてみた。
――岸口県議を介して渡った立花孝志氏の文書、なぜ知事は読まないのか。非常に重要なことが書いてあるが、竹内元県議を百条委員会の印象操作をした黒幕、主犯格と批判して、攻撃を誘導するような文書になっているが、これ、まだ読んでいないのか。
斎藤 私は読んでない。
――こんな重要な文書で、報道特集でも報じられたし、いろいろなところでも記事になっているのに、なぜ読まないのか。しかも片山元副知事が、現れる予定だったホテルに代わりに岸口県議が現れて、この文書を渡したわけだから、片山元副知事がこの文書を作成した黒幕、主犯格の可能性は非常に高いではないか。なぜ(文書を)読んで片山元副知事にすぐ聞かないのか、聞き取り調査しないのか。
斎藤 読んでないし、その件について私はちょっと詳細、当事者でもないから、承知をしていない。
人ごとのような姿勢を続ける斎藤知事に対しては3月5日、会見で指名されなかったので会見終了直後、「立花氏入手文書、黒幕は中国人と聞いているが、事実か。県の仕事も請け負っている。それだけ答えてください。中国人の手助けで当選したのではないか」と声掛け質問をした。すると、立ち去ろうとする斎藤知事はいったん立ち止まって「仰っていることがよく分からない」とつぶやいたので、こう続けた。
――調べてくださいよ。片山元副知事とその中国人が組んで、立花氏入手文書をつくったと言われている。調べる気はないのか。片山さんに聞き取り調査をしないのか。中国人の手先なのか。(中国人は)県の仕事を請け負っている。しかも逮捕歴があるのに、なんで県の仕事を請け負えるのか。おかしいではないか。その見返りで怪文書、立花氏に渡ったのではない。調べないのか。そんな重要なことも。中国人の手先と呼ばれても仕方がないのではないか。中国人の利権が何か県にあるのではないか。ちょっと答えてくださいよ。調べるのかどうか。事実関係、明らかにするのか。片山さんに聞かないのか。聞き取り調査をしてくださいよ。
斎藤 中国人の手先というのはどういう意味か。
――中国人が片山さんと組んで、立花氏入手文書を渡したという。立花氏が認めた。中国人が(岸口県議との面談で同席したと)。
司会者 横田さん、どうもありがとうございました。
このとき立花氏は、
投票権のない東洋系外国人と認めた――いや、知事が答えようとしているので。立花氏が言っている。(岸口県議との面談で同席したのは)中国人だと思うと。投票権のない人が岸口県議との面談に同席したと。
司会者 以上で終了します。ありがとうございます。
――ちゃんと調べてください。片山さんに聞いてください。片山さんと中国人の共謀ではないか。
斎藤 無言のまま一礼して立ち去る。
以上の声掛け質問が差別的発言として問題視されて、県政記者クラブから出禁(会見参加不可)通知を受け、3月11日から現在に至るまで出禁状態は解除されていない。しかし会見場外での取材は可能で、冒頭のような声掛け質問を知事会見前後で続けている。いまだに真相は闇に包まれたままなのだ。
闇バイトの指示役が明らかになっていないことにも似ている。片山元副知事の名前を使って昨年11月1日のホテル面談を設定、岸口県議を情報の“運び屋”、そして立花氏を竹内県議への誹謗中傷の“叫び屋”として動かした中国人の民間人の実像は明らかになっていないのだ。情報漏洩に関する第三者委報告書がいつ公表されるのが注目される。
【ジャーナリスト/横田一】
関連キーワード
関連記事
2025年4月10日 16:352025年4月2日 12:002025年3月28日 16:302025年4月10日 13:002025年4月9日 17:002025年4月4日 15:302025年4月3日 17:30
最近の人気記事
まちかど風景
- 優良企業を集めた求人サイト
-
Premium Search 求人を探す