2024年11月27日( 水 )

ファンドを手玉に取る~2編

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(1)自前資金で事業続行
 オリーブオイルが健康に良いことが世間に浸透しはじめた。Aの会社は、このブームに乗りオリーブオイルのネット通販に注力しており業績が好調である。さらに幸いなことにギリシャ料理がブームになっており、そのギリシャ料理で使用するクレタ島産オリーブの調達をしているAの会社には追い風が吹いている。

 Aは本格的に東京進出を探っているのだが、その動きを嗅ぎつけたファンドの営業マンが「会社を売ってくれませんか!!そうでなければ上場しませんか!!」と連日、押しかけてくるという。
 Aは「ファンドからも注目を浴びるとは気持ちが良いものだ」と満足しながらも「しかし、ファンドの連中は資金運用にかけてはプロかもしれないが、事業経営の能力はないな」と心のなかでは見下している。
 今後の事業拡大のための資金調達は、自宅・旧事務所(4億円の値がついている)を売却して捻出する予定である。

(2)メンテでしっかりと稼ぐ
 太陽光=メガ発電所をまとめて250億円でファンドに売り渡すBが高笑いしている。「ファンドが、わがメガソーラーシステムを買収しても、自らの手で利益を出すのは無理だ。私の手を借りないと利回り確保はできない」と豪語する。
 確かに売却してもBの会社がメンテ業務を引き受ける。「このメンテでしっかり儲けて15年後にはこちらが買い取る契約を結ぶ」と打ち明ける。まさしくファンドの資金を逆手に取った痛快ビジネスである。

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