2024年12月24日( 火 )

LEDを超えた新時代の照明技術が未来を照らす(前)

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(株)プラスアルファー

「照明」の歴史に新しい1ページを

 白熱電球に始まった照明の歴史は、蛍光灯、LEDの登場を経て、まったく新しい次元へと移り変わろうとしている。無電極ランプ「エコ・ループ」を主力商品として展開する(株)プラスアルファーは、時代の波に乗って大きな一歩を踏み出している。

 20世紀初期に商業ベースに乗り、現在も主要な照明用光源として用いられている蛍光灯。現在も多くのオフィスや学校で用いられているが、これを代替する立場として登場したのがLEDだ。LEDは蛍光灯に比べ消費電力が大幅に少なく、省エネになるとして経済産業省が使用を推進し、また日本照明工業会も、有害な水銀を使用する蛍光灯や水銀灯などの照明器具から、LEDなどの半導体照明への移行を加速すべきだとしている。家庭用、業務用の照明に加え、近年ではLEDの特性である光線の直進性を生かし、交通信号に活用されている。

 その一方で、LEDは万能の照明器具ではない。まず指摘されるのが演色性(本来の色の通りに見えるかどうか)の問題。現在流通しているLEDは、青色発光ダイオードの光に黄色の光を発する蛍光材を組み合わせて白色光をつくっているため、演色性に欠ける面がある。改善はされているものの、とくに微妙な色の見分けが必要な工場などの現場では、LEDは採用しにくい。たとえば製鉄所では、溶けた鉄の温度や状態を微妙な色の変化で判断する。専門のベテラン職員を置くほど重要なパートであり、わずかな色の見間違いもあってはならない。

 また、手元での作業が多い工場などでは、LEDが目の網膜に与えるダメージについて指摘する声もある。「LED照明は目が疲れやすい」と感じている方も多いだろう。さらに、LEDは光源としての特性上、影ができやすいという問題もある。

 いずれにせよ、LEDは従来の照明器具を完全に代替できる存在ではない、というのが実際のところのようだ。

演色性は蛍光灯並み「エコ・ループ」

 そこで注目を集めているのが、プラスアルファーが開発した無電極ランプ「エコ・ループ」。現在、工場などで多く使われている水銀灯と比較すると経年劣化が少なく長寿命。交換の目安として、メタルハライドランプや水銀灯が2年、LEDが6年とされているところを、エコ・ループは12年という長いライフサイクルを実現している。とくに大規模な工場では、高所にある照明の交換だけでも大きな作業負担になるが、エコ・ループの導入によりメンテナンスコストを大幅に圧縮することができる。しかも、消費電力は水銀灯の3分の1から4分の1。ランニングコストの軽減にもつながる。

 一定以上の水銀を含有する水銀灯は、17年に発効した「水銀に関する水俣条約」により、21年以降製造と輸出入が禁止される。水銀灯の置き換え需要、工場新設の際の設備投資に関わる需要は、これからさらに高まっていくことが予想できる。すでに国内の大手総合重工メーカーが、既存の工場や今後の新設工場すべてに無電極ランプを導入する動きがあるという。

 「現在、9月稼働予定の新工場を粕屋町に建設中です。新工場が稼働すれば、現状の年間2万台から4~5万台を出荷できる体制になります」と事業拡大に自信を見せるのは同社の岡部哲也代表取締役社長。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:岡部 哲也
所在地:福岡市博多区空港前4-3-25-2F
設 立:1988年11月
資本金:7,450万円
TEL:092-409-4016
URL:http://palpha.co.jp

<プロフィール>
岡部 哲也(おかべ・てつや)

 1988年11月に(株)プラスアルファーを設立。代表取締役として、会社経営だけではなくトップ営業を積極的に行い、R&Dにも携わる。

(後)

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