2024年12月23日( 月 )

日本が世界に誇る『おもてなし』のレシピ(前)

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(株)ホテルオークラ福岡

最高を追求する「オークラ」の精神

 日本のホテルの代名詞といえる「オークラ」のルーツは、明治時代に一代で財閥を築き、帝国ホテルを築いた大商人・大倉喜八郎氏。その長男の2代目・大倉喜七郎氏は、戦後の財閥解体で帝国ホテルを手放したが、公職追放という逆境を乗り越え、1962年5月に「ホテルオークラ東京」を開業した。ホテルオークラ福岡は、東京に本社を置くホテルオークラの子会社として96年2月に設立され、99年3月にホテルを開業した。

 喜七郎氏とともにホテルオークラを立ち上げた初代社長・野田岩次郎氏は、「親切と和」を理念に掲げた。その言葉には、ホテルオークラを世界最高のホテルにするという高い信念と高度な技術を中心に、いつの時代も、プロのホテルマンとして、常に技量を磨き、お互いを敬愛し、和の心をもってチームワークを高め、ホテルオークラのさらなる飛躍に挑むという行動指針が示されている。ホテルオークラ福岡の営業理念は、最高の施設(Accommodation)・最高の料理(Cuisine)・最高のサービス(Service)の頭文字をとった「Best A.C.S」。最高を追求する「オークラ」の精神が宿る。

 地域社会への貢献、地域文化との融和も大切にしている。ホテルオークラ福岡の近くには、家族連れで賑わう商業施設「博多リバレインモール」、地域の文化芸能の発信拠点である「博多座」や「福岡アジア美術館」などがある。周辺は、勇壮な山笠を担いだ博多の男たちが疾走する博多祇園山笠(ユネスコ無形文化遺産)の廻り止め。毎年数百万の人で賑わう「博多どんたく」のメインストリートにも近い。まさに博多の町人文化のど真ん中という立地から、ホテルオークラ福岡5代目社長の水嶋修三氏は、就任時から「文化の香りのするホテル」とすることに力を入れた。吹き抜けのあるロビーには、山笠を始め、ひな人形など四季折々の飾り付けが行われる。大小問わず音楽、芸能のイベントなどを開催し、文化交流の場を求めるニーズに応えてきた。山笠が奉納される櫛田神社とタイアップした神前結婚式も好評だ。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代 表:水嶋 修三
所在地:福岡市博多区下川端町3‐2博多リバレイン
設 立:1996年2月
資本金:5億円
TEL:092-262-1111
URL:https://www.fuk.hotelokura.co.jp

<プロフィール>
水嶋 修三(みずしま・しゅうぞう)

 福岡県久留米市出身。1947年生まれ。70年4月、(株)日本交通公社(現・JTB)入社。2005年6月、(株)JTB常務取締役九州営業本部長を経て、06年4月から09年3月まで(株)JTB九州の社長を務める。11年6月に(株)ホテルオークラ福岡の社長に就任。

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