人材の活性化で企業体質の強化を図る(前)
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(株)マルモク
木材と新建材の販売で福岡トップクラスの実績
(株)マルモクは1970年3月、現代表の村田一朗氏が設立した建設資材販売会社である。資材販売のほかにも内装工事を手がけ、木材、合板、土木資材をコア事業として成長。福岡の建設業界では、『木を知る企業』として知られている。
村田一朗氏は、高校卒業後、材木卸会社に就職。独立のきっかけは自身が材木卸会社の熊本営業所所長のころ、会社がゴルフ場経営などの新事業に力を入れるようになったことだ。材木から少し距離を置くようになったことに戸惑いを感じた村田社長は、「当時は材木のことしかわからなかったので、上司に相談して、独立を決意した」と語る。だが、独立するとしても、商売の手ほどきを受け、お世話になった会社には迷惑はかけられない。顧客を連れていくなどもってのほかだ、と考えた。そうして新たに材木卸(株)マルモクを福岡市博多区に設立。一からの出発となった。
独立に際しては、以前在籍した会社との競合を避けるため、福岡市に本社を設けることにしたのだが、村田社長の出身は福岡県北九州市。会社では、熊本県を中心に経験を積んできたことから、未知の土地での独立だった。同社が現在に至るまで大切にしている「挑戦する心」は、この時に育まれたもの。現在も社風として、社員たちにしっかりと受け継がれている。『挑戦なしに成功は得られない』を村田社長が自ら体得してきたことが、同社の礎となっている。
木材卸からマンション工事など幅広く手がける
未知の土地でのスタートだったが、村田社長の誠実な人柄もあり、設立時から多くの人たちからの応援を受けた。これにより独立後も比較的順調に事業を行うことができ、業容拡大にともない2年後の72年6月には現在地に移転。73年3月には建築一式の請負工事を始めた。77年には、材木商としての豊富な知識と経験を生かし、マンションの工事分野に参入。造作工事、家具工事、建具工事、床工事を施工できるフルラインの体制を拡充することとなる。参入時は内装工事(造作・家具建具・床)を中心にスタートしたが、現在は内装に強いリフォームやリノベーションのワンストップサービスを行う企業に成長している。
村田社長の下、子息の村田裕昭専務が経営の舵取りを行う。同社の主力商品の1つは合板。注目されている型枠用合板の「桧コート」は同社の新商品だ。一昨年、同社はメーカーと提携しオール桧で型枠用合板を考案。裏面に防水シートを張り、反りを軽減することで、ようやく芽が出始めているという。現在、輸入合板が不安定な状況で、品質の安定化を目指してつくった。今年1月の日本合板商業組合の発表によると、輸入合板を国産合板の出荷量が上回った。檜のほかにも杉を使った国産合板の需要が増えていることから、国産合板の需要増加は、同社の業績を後押しする。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:村田 一朗
所在地:福岡県那珂川市仲3-13-6
設 立:1970年3月
資本金:1,000万円
TEL:092-952-3911
URL:http://www.marumoku.co.jp<プロフィール>
村田 一朗(むらた・いちろう)
1939年2月生まれ、福岡県出身。東筑高校卒業後、高島木材産業に入社。熊本営業所長を経て、70年に(株)マルモクを設立。同社代表取締役社長に就任する。関連キーワード
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