2024年11月29日( 金 )

中国経済新聞に学ぶ~アップル 中国市場の進退が窮まった(前)

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 米アップル社がこのほど発表した最新の製品が貿易戦争の暗い影の中で埋没しかけている一方で、米国の保護貿易主義的政策に対するアップルの不満が注目を集めている。時価総額世界一のIT大手アップルは、供給チェーンのグローバル化を通じて競争力を強化したいが、「関税の剣」による損害を避けるのは難しく、進退が窮まりつつある。

 日本時間の13日未明、米アップル社は新製品発表会で携帯電話の新モデル3機種を発表した。このうち価格が最も高いのはiPhone XS Maxの512ギガバイト(GB)モデルで1万2799元(約21万1,180円)となり、普及版のiPhoneでは過去最高値を更新した。「世界一高いiPhoneではないが、普及版としては価格はMAX」で、ティム・クック最高経営責任者(CEO)が率いるアップルが、携帯電話のぜいたく品ブランド化の道をひた走っていることはたしかだ。そして新製品発表会よりも「熱かった」のはネットユーザーたちから次々に寄せられるコメントで、華為(ファーウェイ)の余承東CEO(消費者業務担当)までもが思わず微博(ウェイボー)で、「やられた!でも『アップルファン』のがっかり(するような高値)により、中国国産携帯電話はハイエンド端末市場で失地回復の貴重なチャンスを迎えることができるのでは?」とつぶやいた。

革新は少なめ、値上がりは多め

 クック氏は発表会でアップルファンに向かい、「アップルは『S』シリーズをバージョンアップする方向性を維持し、ディスプレイサイズを5.8インチのiPhone XSと6.5インチのiPhone XS Maxの2種類を打ち出す」と発表。今回発表された9モデルのうち、6499元(約10万7,230円)のiPhone XR64GBモデルが最も低価格で、その他は中国国産端末がこれまで到達したこともないような超高価格だ。

 またXSは256GBが1万99元(約16万6,630円)、512GBが1万1899元。最高機種のXS MAXは256GBが1万999元、512GBが1万2799元で、普及版としては「史上最高値のiPhone」と呼ばれる。新機種の一部は今月14日に中国市場での予約受付が始まり、21日に発売される。

 今回の発表会では、価格以外にアップルファンに深い印象を与えるものはなかった。iPhone Xに比べて、XSのバージョンアップはバッテリー持続時間が30分ほど延びたこと、防水性能の水深が1mから2mになったこと、プロセッサに次世代ニューラルエンジンが搭載されたことなどにとどまり、物足りなさを感じる。またXS MaxもXSのバージョンアップにディスプレイの大型化が加わったに過ぎない。

 新iPhone発表の全プロセスのうち、ほぼ半分が搭載された高性能チップの紹介に費やされ、ゲームの画面がよりクリアになる、写真の処理速度が上がる、ポートレートモードで写真を撮るとボケ具合を調節するなどと説明された。だが夏に熱くなった本体の放熱をどうするか、エアコンから離れてゲームしたり動画を見たりすると卜ラブルが起きる問題は、まだ解決策が示されていない。

(つづく)


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(後)

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