スクールの運営から部活動指導へ活動領域を拡大し、スポーツ文化の醸成を目指す(後)
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リーフラス(株)
終身雇用制度を基本に高い指導レベルを維持する
指導員として雇用された以上、コーチングの現場が主な活躍の舞台となるのは当然だ。しかし、スポーツコーチという職種の性格上、長く勤めるうえで体力の低下という問題に直面することもある。プロアスリートであれば、引退して現場を離れることになるが、同社では体力の低下イコール退職とは考えていない。原則は終身雇用であり、年齢を重ねるにつれて現場リーダーや監督、管理職などのより後方支援的な業務で、それまで培った経験や指導力をいかす道を用意している。体力やスキルの低下によって使い捨てされることがない同社の体制は、採用面でも奏功しているといえるだろう。
指導員の採用は、主にスポーツ系学部をもつ大学をまわってリクルートするほか、随時開催する企業説明会が中心になる。説明会に参加する学生はこれまでほぼ男性だったものの、現在の男女比は半々にまでなった。前出の永冨氏は「小さなお子さんは、体格の大きな男性指導員を怖いと感じることもあります。そういう意味では、女性は低学年児指導に向いているでしょう」と話し、女性登用に積極的だ。
指導員として子どもたちと関わるうえでの醍醐味は、子どもたちの成長や変化を感じる瞬間だという。「少しアドバイスをしただけで、子どもたちの気づきを誘発して、劇的に変わることがあります。技術的にも人格的にも成長する子どもたちを間近で見ることができるのは指導者冥利(みょうり)につきます」(永冨西日本本社長)。
スポーツを通した社会貢献を目指す
リーフラスの活動の場は、自社がもつスクール事業だけでなく学校現場にも広がっている。現在、学校教育の場で部活指導に携わっているのは、大阪市内の中学校2校と、東京杉並区の和田中学校の3校。さらに小学校では、昨年から福岡市内16校で体育の授業を指導している。
今後は、福岡県内の中学校で部活動に指導員を派遣する方針で、その際には学校や教育委員会が費用を負担するのではなく、民間企業にスポンサーになってもらうかたちを模索している。CSR(企業の社会的責任)や企業広報として予算をつけてもらうことで、1校につき500万円を基準に採算のとれる体制を構築できるとみている。ここまで同社が子どもたちに寄り添う体制を究めようとしているのは、「子どもたちにスポーツを好きになってほしい」という企業としての基本姿勢が一貫しているからだ。
現在のスクール数は、30都道府県に約3,000スクール、総会員数は約4万5,000人まで増えた。企業としての短期的目標は上場だが、その先には、「スポーツを通じた社会貢献」という大きな目標を掲げている。
今年開催された平昌五輪、そして2020年の東京五輪に向けて、スポーツに対する関心はこれまで以上に高まっていくことが予想されるが、リーフラスが考えるスポーツとはアスリートに象徴される高い競技レベルの追求だけではない。欧米のように、地域のスポーツクラブを拠点に、多世代がさまざまなスポーツに親しむことで豊かな人生を送るサポートをすることこそ、同社が目指す究極の社会貢献なのだ。スタートしたばかりの部活動支援は、行政との連携を深めながらスポーツ文化を熟成させるという意味で、目標への大きな一歩を踏み出した契機といえるだろう。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:伊藤 清隆
所在地:東京都渋谷区広尾1-1-39恵比寿プライムスクエアタワー10F
西日本本社:福岡市博多区博多駅南1-15-22シノケン博多ビル8F
設 立:2001年8月
資本金:8,000万円
TEL:03-6451-1341
URL:https://www.leifras.co.jp<プロフィール>
伊藤 清隆(いとう・きよたか)
1963年11月21日生まれ。愛知県日進市出身。琉球大学教育学部卒業。教育関連企業の九州支社長を経て、2001年8月にリーフラス(株)を設立。法人名
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