北アルプスの麓「白馬村」に「知的個人」が結集、熱い議論を展開!
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11月17日(土)と18日(日)の2日間、長野県北安曇野群白馬村の「シェラリゾート白馬」において、「白馬会議 2018」が開催された。東京を中心に、福岡、札幌など全国から、さまざまな職種・組織に広がる「知的個人」約70人が結集、ハードなスケジュールで、熱い議論が展開された。主催者は事務局代表の市川周氏(一橋総研CEO)を中心とする白馬会議運営委員会、協賛は長野銀行と武者リサーチ、後援は長野県経営者協会と『世界経済評論』(国際貿易投資研究所)である。
従来の発想や仕組みを突き破る新たなイノベーションが必要
第11回を迎えた今年の統一テーマは「大丈夫か?日本のイノベーション!」である。戦後発展の行き詰まりなのか?平成の疲れなのか?今この国は元気がない。従来の発想や仕組みを突き破る新たなイノベーションが必要とされている。今回は以下の4つのセッションが設定された。
第1セッション 講師:菊澤研宗氏(慶應義塾大学商学部教授)「“忖度・改竄・隠蔽”を追い出すイノベーションとは?」
第2セッション 講師:小黒一正氏(法政大学経済学部教授・元財務省財務総合政策研究所主任研究官)「“第二の敗戦”(財政破綻)回避のイノベーションとは?」
第3セッション 講師:鶴岡秀志氏(信州大学カーボン科学研究所特任教授)「“技術劣国化”を阻止するイノベーションとは?」
第4セッション 講師:矢野義昭氏(東京工業大学客員講師・元第一師団副師団長兼練馬駐屯地司令・陸将補)「“日本を守れる”自衛隊のイノベーションとは?」
日本人、日本組織がそれぞれしっかりしなくてはいけない
第1セッションでは、日本の組織が陥る“忖度・改竄・隠蔽”の理由を「限定合理性」(個別利益と社会利益の不一致、個別利益と社会倫理の不一致など)というキーワードで説明。そして、経済的合理性を極めていく過程で、善悪などの価値判断が失われていく可能性も指摘された。
第2セッションでは、警告を発する経済学者が少なくなった(あきらめたのか?)国家財政危機に言及、危機を乗り越える挑戦的でかつ現実的な対策・手法が提案された。
第3セッションでは、日本の“技術劣国化”を防ぐために中小企業が保有する、材料分野などの破壊的イノベーションの要素技術に注目した。
第4セッションでは、はたして自衛隊の「防衛力」はこの国を守るのに十分なものなのか?を問い、話は日本の核武装論まで進み、賛否両論の中、議論が白熱した。
一服の清涼剤として用意されたチェロ・ピアノコンサート
ものすごく、ハードなスケジュールの中、主催者が一服の清涼剤として用意したのが、「チェロ・ピアノコンサート」である。(チェロ:原香恋さん、ピアノ:武井純子さん)、さすがにこの時だけは、参加者全員がテキストをすべて部屋に置き、そのすばらしい演奏に聞き入っていた。
【金木 亮憲】
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