人との縁を大切にして安心・安全な居住空間をつくり続ける(後)
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(株)岩堀工務店
顧客の期待以上のものを提供
今後の事業展開について岩堀代表は、「福岡市と都市圏の人口は、今後2025年まで増加傾向が続くことが予想されています。そんな環境下においては、建築のニーズも堅調に推移するでしょう。住宅のニーズも同様で、多様なお客さまのリクエストに応えていくことが大切です。お客さまのライフスタイルの実現、そして安心・安全に日々を過ごせる住まいづくりを体現するには、毎日我々が研鑽を積み、お客さまとの対話を大切にして、住まいづくりに生かさなければなりません。お客さまの期待以上のものに応えることが本当の意味での顧客第一だと考えています」と、現状に甘んじることはない。
具体的には、これまでの戸建の木造住宅を中心とした事業と、官公庁関係を始めとして、高齢者が安心して過ごせる賃貸住宅の開発、そして立地など好条件の土地があれば、建売の戸建住宅の開発も手がけていく計画がある。
過去に都心部から少し離れた場所にミニ分譲開発を行い、すぐに完売させた実績を有するなど、地域を活性化させるために住宅というソフト・ハードウェアを活用したイノベーションを積極的に仕掛けたいという。また、時流となっているリフォームやリノベーションの受注も増加傾向で、同社業績の10〜20%を推移しており、今後も強化していく分野の1つだという。このリフォーム・リノベーションの受注も、同社の既存顧客からの紹介が大半だということを付け加えておく。
建築という仕事の楽しさの伝承
同社は、次世代を担う人材の確保を積極的に実施している。建設業界の人材不足は、同社だけでなく全国的に慢性化している。同社は現在20名の社員で平均年齢が50歳前後という。離職率は極めてゼロに近く、多数の生え抜き社員が地道に日々秀逸な建築物を供給し続けている。しかし、今後同社がさらなる進化・発展をしていくためには、次の時代を担う若い人材が必要不可欠である。「建設業界だけではありませんが、新たな人材確保は喫緊の課題ですね。弊社も毎年実施しております。厳しい状況ながら、1〜2名の新卒者を採用できております。今後の弊社を担う人材です。大切に育成していきます」(岩堀代表)。
同社は、地場総合建設業のなかでは中堅規模である。所帯も大きいとは言い難く、少数精鋭だ。一方で、仕事づくりにおいては業界大手に勝るとも劣らない実績と、その中身がある。ここで言っているのは手がけた建築物が「著名である、発注者が大手、建物規模が大きい」など表面上のことではない。同社が手がけてきた、住まい対する顧客の評価である。
斬新さやファッショナブルなデザインなどではなく、住みやすさ、そして安心して過ごせる木造住宅を提供し続け、顧客からの紹介で、新たな住まいが次々と生み出される。それは、顧客が同社の住まいで本当に安心して日々を過ごせるという証だ。そのような住まいの担い手になり、「仕事の楽しさを次世代に伝えていきたい」と岩堀代表は、次世代の人材と仕事をすることを楽しみにしている。
同社は、住まいを通して地域を元気にするイノベーション的な存在として期待されている。
(了)
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