くるり九州ひたすら歩く旅~九州一周、完歩を目指す(18)
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国道3号線と10号線をひたすら歩く“九州一周完歩”の旅。走行距離は実に833kmにおよぶ。週末を利用しつつ、実際に現地に赴き九州の大動脈を歩く旅。北九州市から10号線を南下する旅と宮崎市から北上するコースという2コース分かれた旅を展開している。
今回は、この旅最大の難所ともいえる宗太郎峠が目の前に立ちはだかった。9月8日(18日目)
JR別府駅から臼杵市野津町南野津バス停まで~41.4km仕事を終え、車で福岡市内から大分自動車道を経て今回のスタート地点となる別府駅に向かう。到着したのは午後10時頃。まだ観光客らしき人たちの姿がちらほら見える。「準備は整った、出発だ」。
宮崎県との県境を目指し国道10号線を南下。市内道路の両サイドには商業施設やコンビニ、ホテルなどが立ち並び、街の光が足元の道路を照らす。
歩き出してすぐに別府湾がみえてきた。整備された別大道路は歩道も広く、平たんで歩きやすい。足元はやや暗く、街灯の光がもう少しほしいところだが、そんな思いを一気に吹き飛ばしてくれたのが、振り向いたときに視界に入る別府市の夜景。何度も何度も振り返り、その美しい光景に見入った。別府駅から2時間強をかけて大分市内に入る。風景の美しさ、歩きやすさともにこの旅の上位に入るだろう。大分市内からのルートだが、大分米良ICに向かう国道10号線バイパスを通るルートがあることが判明した。急がなければならないが、興味がそそられたこともあり「行ってみる!」ことに。しかし、これが“大失敗”だった。市内から大分米良ICに向かう県道を歩いていると、途中からものすごく急な坂に。車の往来が極端に少なくなり、広いものの寂しい道である。しかも歩道内の草木が行く手を阻む。伸び放題なので歩きづらいことこの上ない。
大分米良ICの下をくぐり、国道10号線バイパスに入る。すると荒れ放題だった歩道は手入れされており、気持ち良く歩ける。しかも、古城山トンネルは明るくひんやりしている。これが「国道と県道の差か!」と思いつつ軽快な足取りとなった。
JR中判田駅に隣接する交差点で本線に合流。これからJR犬飼駅まで大野川と並走しながら山に向かうことになる。ただ問題なのが、降ったりやんだりの雨。合羽は蒸し暑くて着たくないので、折りたたみ傘をさすことにした。「いい感じだ、先を急ごう」。
夜が明けるころ、犬飼駅があると思われる地区に到着。しかし、道路は片側が切り立った崖で、反対側は川。もちろん歩道なんてない。時折通る車が、すぐそばを通り、その度に水しぶきをかけられるこれ以上、雨足が強くならないうちに目的地へ急ぐことにする。目的地はここから10kmほどのところで、約2時間かかる。帰りを気にしてバス停の時刻表を何度も確認する。
今回の旅のポイントは別府駅への帰路だ。この区間は今まで足にしていた軌道がない。しかし、バスの往来が多いので問題なさそうだ。しばらく歩いていると臼杵市に入ったことを示す標識が見えてきた。今回の旅の到着先は野津町郵便局だ。野津町に入り、同町の南野津バス停付近に来るとバスが向かってくるのが見えた。このバスに乗り数時間かけて別府駅に戻り、その後、車で大分駅前の宿へ。夕方までの数時間、泥のように眠ったのは言うまでもないだろう。
(つづく)
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