持ち前の人材の質生かし、100億円企業へ向けて前進(後)
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三共電気(株)
働きやすさ向上を加速、社内に野球チームも創設
「100億円企業へ向けて日夜努力を続けておりますが、もちろんうまくいかない部分もあります。昨年までは、近年ブームのメガソーラー需要で、太陽光やLEDといった機材が売上の10%前後をつくっていたのですが、その需要も陰りを見せてきており、現在は主軸を担うエースが不在といった状態です」。理想的な売上をつくっていくことは困難を極めるというが、同社においても例外ではないようだ。ただ、競合する企業も多いなかで、売上高60億超の企業でいられるのは、地場企業ならではの細やかなサービスと蓄積された営業力にほかならない。「些細なことでもすぐに小回りを効かせて対応ができますし、その分、大手にはできないような大胆な提案も可能なんです。出口会長時代から受け継ぐ『プロにも一流・二流・三流。目指せ一流企業』のマインドが全スタッフに浸透していますので、顧客第一主義を貫き、全スタッフで頑張れているのではないでしょうか」。
会社の目的を実現できるかどうかも、人的資源の質次第であることは明白だ。太陽光の需要が停滞した後に大幅な売上ダウンに至っていないのは、スタッフ力の高さが根底にあるといっていいだろう。同社には営業、配送、管理、総務などのセクションがあり、通常業務に加え、年に数回ある展示会などのイベントも社員が主導して運営する。また、女性スタッフも20名以上が在籍し、勤続年数が長いスタッフや、マネジャーなど管理職に就く社員もおり、男女を問わず活躍できるフィールドが同社の特徴だ。それでも近年は人材不足に悩まされているのが現状で、社員教育や採用活動も積極的に行っているという。「時代が変わっていくにつれて、新入社員の傾向が変わってきています。人が会社に合わせていくのではなく、会社がその人に合わせて成長させていくようなやり方が、これからは求められています。だから、社員教育の責任者向けの研修やセミナーの導入も検討していますし、各営業所で気軽な親睦会を開催して、社員1人ひとりの生の声を直で聞くような機会も増やしました。少しでも現場のことを把握しないと将来のことが見えてきませんからね」。
三共電気(株)は自社の野球チーム「SDパワーズ」をもち、野球経験者が入社するきっかけにもなっているという。「出口会長の意向で立ち上がったSDパワーズは、15年に創部したまだまだ新しいチームです。あくまで草野球チームですが、経験者にとっては社会人になっても気軽に野球を続けることがきますし、運動がしたい人にとっては息抜きの場になればと思っています」。
営業畑で徹底的に現場を経験してきた木原社長だからこそ、数字はもちろん、社内環境などにも気を配れるのだろう。「仕事をするうえでよく思うのは『なるようになる』ということです。結果は結果として受け止めて、悪い結果なら、どう改善していくかを、スピード感をもって対処していくことが求められていると思います。だから、私たちの目標へ向けて、現実をたしかめながら一歩ずつ進んでいきたいですね。これから、スタッフが働きやすい環境をつくり、営業エリアを拡大しながら、だれもが幸せになれるように取り組んでいきたいと思います」。
(了)
<COMPANY INFORMATION>
代 表:木原 和英
所在地:福岡市西区福重1-14-25
設 立:1976年6月
資本金:7,200万円
TEL:092-883-8588
URL:http://www.sdkk.jp<プロフィール>
木原 和英(きはら・かずひで)
1968年2月生まれ、福岡市出身。87年に三共電気(株)に入社。その後、2004年に南営業所所長兼営業本部長、03年5月に取締役営業部長、10年7月に取締役常務を経て、13年7月に取締役社長に就任。趣味はゴルフ。関連キーワード
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