メガソーラーからホテル、キウイまで 比類なき事業展開スピード(前)
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芝浦グループホールディングス (株)
メガソーラーからホテルへ
九州で著名なメガソーラー事業者といえば、まず芝浦グループの名が挙がるだろう。建設事業、不動産事業、ホテル事業、発電関連事業などグループ9社と統括する芝浦グループホールディングス(株)(以下、グループ企業含めて芝浦グループ)で構成された企業グループである。2017年8月に社長に就任した新地洋和氏にグループの特長を聞いた。
12年7月、福岡県嘉麻市に建設された九州ソーラーファーム1嘉麻発電所(2MW)を皮切りに、8月には熊本県玉名郡南関町に南関セキア発電所(3・3MW)、10月には佐賀県佐賀市に川副発電所(1・2MW)、11月には福岡県飯塚市に勢田発電所(1・7MW)と鯰田発電所(2・3MW)を運転開始させた。12年は再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度がスタートした年である。その年だけで、合計8MWを超える出力の太陽光発電所の運転を開始させているのである。メガソーラー発電所は以後も建設を続け、九州地区で29カ所、山口地区で6カ所、メガソーラー発電所を運転させている。
このようにスピーディーに展開させることができたのは、同社が従来から太陽光発電工事を手がけてきたことも関係があるだろう。
芝浦グループの由来は1977年のシンチデンキ創業にある。現会長・新地哲己氏が、いわゆる町の電気屋さんとして店を構えたのが始まりだ。84年には芝浦特機株式会社に改組。以後、建設事業、不動産事業を手がけながら業容を充実させていく。2002年に太陽光発電事業をスタートさせ、太陽光発電に関するノウハウを身につける。06年には全戸個別供給型の太陽光発電パネルが設置されたマンション「ニューガイア上石田」が第10回新エネ大賞経済産業大臣賞を受賞。マンション建設と太陽光発電の技術を確立させていく。その後も全戸個別供給型太陽光発電マンション「ニューガイア」シリーズを福岡全域で展開し、人気を博していくことになる。こうして建設の技術、太陽光発電の技術、不動産取得の技術をわがものとしてきたのだ。
こうして育まれた技術力がFIT(固定価格買取制度)のスタートにより一気にメガソーラー発電所として結実するのである。1年間で8MWを超えるメガソーラー発電所を運転開始に導いたのだ。FIT開始をビジネスチャンスと見るや、一気呵成にメガソーラー事業を展開した。それが「平成の発電王」との異名をもつことにつながったのだ。
ところがメガソーラー発電制度に影が差すこととなる。14年9月、突然、九州電力が再生可能エネルギー発電設備の接続申し込みの回答を留保すると発表したのだ。この問題を予見し、芝浦グループは新たな業種への進出をいち早く進めることを決断、14年7月にホテルニューガイア博多をオープンさせていた。
(つづく)
<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長兼CEO:新地 哲己
代表取締役社長:新地 洋和
所在地:福岡市中央区天神3-10-30(福岡本部)
北九州本社:北九州市小倉南区石田4-17-22
設 立:2010年8月
資本金:4億5,400万円
TEL:092-718-0067
URL:http://www.shibaura-group.com<プロフィール>
新地 哲己(しんち・てつみ)
1953年4月生まれ。77年、シンチデンキを創業、84年、芝浦特機(株)として法人化。現在、芝浦グループホールディングス(株)代表取締役会長兼CEO。<プロフィール>
新地 洋和(しんち・ひろかず)
1979年生まれ。グループ会社社長を経て、2017年に芝浦グループホールディングス(株)代表取締役社長に就任。関連キーワード
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