今年の流通企業倒産、3年連続でゼロに 好業績の余韻残
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データ・マックスの調べでは、今年の負債総額1億円以上の九州流通企業(スーパー、ディスカウントストア、ホームセンター)の倒産は11月末までなく、3年連続でゼロになる可能性が高い。円安による値上げの恩恵で昨年まで業績が好調で、その余韻が残っていることや、金融機関が貸出先に苦労するなど経済全体のカネ余り減少も影響していると見られる。
流通企業の経営破綻と廃業は消費増税前の2014年に近松ストアーなど6件を記録したが、その後はゼロが続いている。
データ・マックスの調べでは、2016年度決算は年商200億円以上で前年度との比較可能な37社のうち5割を超える20社の最終損益が悪化した。また、100億円以上の食品スーパー37社のうち、減益・赤字が20社を占め、それぞれ15年度から増えた。食品値上げの効果が一巡したのと、消費者の低価格志向が再び強まったためと考えられる。収益悪化にもかかわらず、倒産がなかったのは前年度までの好業績で一定の蓄積ができたことが大きい。
来年は予断を許さない。上場企業の業績が過去最高を更新するなど景気は拡大しているが、一方で可処分所得が増えてないことや将来への不安から消費者の節約志向は根強く、低価格志向が一段と強まっている。長期低迷の続く中堅中小スーパーも少なからずあり、競争激化で破綻や廃業に追い込まれるケースが出てくる可能性がないとはいえない。
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