2024年11月29日( 金 )

五感で捉える国際政治~新年のあいさつにかえて

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国際政治経済学者 浜田 和幸 氏

 新年、明けましておめでとうございます。

 昨年も毎月2回のペースで諸外国を訪ねました。アメリカやアラブ諸国など行く先々で新たな出会いや意外な発見がありましたが、とくに印象深かったのは「辺境地帯」です。

 たとえば、北朝鮮と中国の国境に位置する丹東市。瀋陽から列車に乗っての1人旅でしたが、駅のホームに降り立つと、中国の駅員さんから「ちょっとちょっと」と声がかかりました。
 何事かと思えば、「もうじき北朝鮮行きのツアーがスタートするよ。特別割引料金でピョンヤン3泊4日の旅はどう?」との呼び込み。
 さすが国境の町。見れば周りには金日成バッジを付けた北朝鮮の男女が慌しく動き回っています。見かけは中国人とよく似ていますが、着ている服装で容易に見分けがつきました。アメリカ主導の経済制裁の限界を実感した瞬間でした。

 また、橋を渡ればベトナムという雲南省の河口市。この辺境の町にはいたるところにベトナム人の経営する料理屋やお土産物屋が軒を並べています。スーパーに入ってみれば、ベトナム産の食材がずらーり!
 中国の商人も背中に大きな荷物を担いで、300mほどの橋をわたって、大挙してベトナムに向かっています。中国とベトナムは南シナ海の領有権をめぐり、鋭く対立しているといわれますが、国民レベルでは「どこ吹く風」といった様子。
 何軒かベトナム料理店を訪ねましたが、どこも大繁盛で、お客は鮮やかなアオザイを身にまとった女性歌手が歌う両国の流行歌に聞きほれていました。
 現場を五感で捉えることが「国際政治」には欠かせないとの思いを強くしたものです。

 こうした出会いや発見はメルマガで毎週金曜日に発信しています。おかげさまで、『ぶっちゃけ話はここだけで』(まぐまぐ)は2年連続で「まぐまぐ大賞:ノンフィクション部門第2位」に選ばれました。
 また、『世界最新トレンドとビジネスチャンス』(フーミー)は「経営塾フォーラム」2019年1月号にて大きく取り上げられました。

 皆様方のご声援を励みに、本年も世界の辺境を訪ねる旅を続けていく予定です。日本を留守にすることも多いため、ご無沙汰の段はご容赦ください。
家族も皆、元気で、アートやベンチャーの世界で「ABC(焦らず、ベストを尽くし、チャンスを待つ)」を心がけているようです。

 本年も何卒、よろしくお願い申し上げます。

2019年1月吉日

【Homepage】
URL:http://www.hamadakazuyuki.com

【Foomii】「世界最新トレンドとビジネスチャンス」
URL:http://foomii.com/00096

【まぐまぐ】「ぶっちゃけ話はここだけで」
URL:http://www.mag2.com/m/0001672202.html

<プロフィール>
浜田 和幸(はまだ・かずゆき)

国際未来科学研究所主宰。国際政治経済学者。東京外国語大学中国科卒。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。新日本製鐵、米戦略国際問題研究所、米議会調査局などを経て、現職。2010年7月、参議院議員選挙・鳥取選挙区で初当選をはたした。11年6月、自民党を離党し無所属で総務大臣政務官に就任し、震災復興に尽力。外務大臣政務官、東日本大震災復興対策本部員も務めた。16年7月にネット出版した原田翔太氏との共著『未来予見~「未来が見える人」は何をやっているのか?21世紀版知的未来学入門~』(ユナイテッドリンクスジャパン)がアマゾンでベストセラーに。

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