2024年12月22日( 日 )

設立60年の地場業界老舗 和を尊び、より進化させていく(後)

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進興設備工業 (株)

和を尊び次世代の人材へ紡ぐ

 大野代表は現在66歳、次の世代への承継を見据えたマネジメントを実践している。これまで以上に日々の経営と並行し、経営幹部とのコミュニケーションを活発にし、後進の指導を行う。「代表に就任して5年。これまでの先人の方々が築かれた我が社の有形・無形の財産を伝承しながら、次の体制へのリーダーを育成することに力を注いでまいりました。私の指導が至らないので、今後も経営者とは何かを伝承し、育成を続けていきます。そして1年でも早く次のリーダーと、そのブレーンに引き継いでまいります」と謙虚に語る大野代表。

 全社員に対しては、「挨拶の励行、迅速・丁寧な行動姿勢は基本です。そのうえで、道具を大切にする、モノを大切にするという姿勢のもと、週1回の点検を行う、倉庫の整理整頓を常に行うなど、すべてにおいて基本を大切にするようにしています。それらができるからこそ、品質や技術を高め、磨き、お客さまの役に立つことができるのです」(大野代表)。

 設備工事のプロフェッショナルとして顧客のオーダーに応えるには、仕事の本質を一番大切にすることを掲げている。大野代表自らが実践してきたことを率先垂範しながら社員に伝え、それを全社一丸となって体現し、邁進している。高い志での仕事づくりのため、同社の人材採用は、新卒採用で一貫しており、毎期確実に新卒の人材を採用している。次世代の人材を、一歩ずつ地道に育成していくことを継続してきた結果、離職率は極めてゼロに近い。先輩社員、そして上司となる者が、新入社員や後輩、直属の部下の成長を見届けることの趣旨を理解し、実行しているからだ。

 それは、『和を尊ぶ』とするお互いを尊重する─先輩・後輩、そして上司・部下の相互関係の構築によって、社内の風土がより明るく活気に満ちた職場環境がつくられている。それらは、同社の協力専門工事業者との技術勉強会・研修会も同様で、より充実させ強固な連携を深めている。

 同社は、来年19年3月に設立60年を迎える節目となる年に向けて、これまで以上により高みを目指した仕事づくりを行う。現況に甘んじることなく日夜研鑽を積む。さらに社内外に向けて財務内容を始めとした事業の取り組みなどについて詳細に情報を公開、発信力をより一層強化する。その誠実な企業風土を基盤に社員が一丸となって事業を次世代に伝承し続ける。

<COMPANY INFORMATION>
代 表:大野 史朗
所在地:福岡市南区玉川町4-2
設 立:1959年3月
資本金:5,000万円
TEL:092-551-6883
URL:http://www.shinkoh-s.com

<プロフィール>
大野 史朗(おおの・しろう)

 2013年4月に生え抜きの工事部長から4代目の代表取締役に就任。創業者の的野家そして経営を再建した舩津イズムを実践し、地場でも有数の設備工事業の同社を牽引している。

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