日々変化することに挑戦し続け、地元・球磨から全国へ事業展開する（後）

味岡グループ

働きやすさと楽しい風土の醸成

　味岡代表は、自らを「根っからの仕事人」と表現するように、ほとんど年中無休で同グループの経営と生コン業界の改革など、あらゆる案件のために自らが先頭に立って活動している。その姿勢は、創業以来変わることはない。また、今年71歳を迎える味岡代表だが、自社の事業承継については筋道をつけているという。それでも、「まだまだやるべきことがあるので、私がリードしていくことに変わりありません」と事業に対する向上心、意欲、そして情熱は、ますます高まっている。

　味岡代表の活動は、人材発掘や育成の面でも積極的である。生コン業界全体については、熊本県内の高校や専門学校を中心とした次世代の人材を対象に、生コン工場の現場見学会を開催している。また、生コンを扱う仕事の魅力についてのパンフレットやハンドブックを作成し、学校で配布している。各校の教員は、「とてもわかりやすく、仕事の内容が明確になりました。学生の進路の選択肢として示したいです。どのような求人がありますか」との質問が多数寄せられているという。

　「熊本県の生コンクリート工業組合青年部に尽力していただき、実施しております。各校の皆さまには、生コンはコンピューターで完全に制御された近代的な工場で生産されていることを学んでいただくなど、業界について深くご理解いただいたと手応えを感じております。今後は熊本県内ばかりではなく、九州全域、そしてほかの県へも提案していきたいですね。全国生コン工業組合・協同組合にもこの活動を推進してもらえるように働きかけております」と生コン業界の活性化を目指し、創意工夫しながら活動を続けている。

　「人吉、多良木など球磨地区は次世代の人材不足が顕在化しております」と地元の人材について語る味岡代表。その現状に対しては、「若い人々がいないと嘆いているだけでは、何も進みません。自分たちでできることは何かを見出して、実践していくことです」とし、対策の必要性を訴えている

　味岡代表は、「仕事は楽しい」という職場の風土づくり、とくに女性が安心して仕事に専念するためのソフト・ハード両面の進化を進めている。同グループの離職率は0％に近い模範的な数値を誇っているが、さらに仕事のやり甲斐と職場環境を高めていくことで、より進化した企業風土を醸成する。

 「近々、新社屋が落成いたします。そして、社員やスタッフのデスクのフリー化を行い、仕事の効率化と各人とのコミュニケーション向上を一層高めて行きます。そして、勤務体制も本社と各人の自宅をオンラインで繋いだ在宅ワークやフレックスタイムの導入など、社員やスタッフの生活に合った働き方の選択肢を広げて行きます」と、一歩先の仕事場づくりを実施しようとしている。新たな人材の発掘と確保、そして地域の活性化を視野に入れた取り組みである。球磨地区から全国へ飛躍を目指す同グループは、日々進化、発展を続けていく。

（了）

＜COMPANY INFORMATION＞
代　表：味岡　和國
所在地：熊本県球磨郡あさぎり町免田西3278
設　立：1987年11月
資本金：2億7,740万円（グループ計）
TEL：0966-45-0100
URL：http://www.ajioka-group.jp

＜プロフィール＞
味岡　和國（あじおか・かずくに）
　1947年8月30日生まれ。1965年4月味岡建設（株）入社。89年9月に味岡リース（株）、91年2月に味岡（株）を設立、代表取締役に就任。その間味岡生コンクリートグループを始めとして味岡グループを形成し、代表として率いる。趣味は狩猟。