2024年11月21日( 木 )

独自性の高い創造力で美しいまちづくりに貢献する(前)

記事を保存する

保存した記事はマイページからいつでも閲覧いただけます。

印刷
お問い合わせ
法人情報へ

(株)手島建築設計事務所

始まりはこたつとT定規

中央区竣工物件

 (株)手島建築設計事務所は、1971年2月に、現会長・手島博士氏が創業した建築設計事務所。手島会長が21歳のときに、福岡市内の四畳半のアパートでスタートさせた。道具は、こたつとT定規のみという簡素な船出であった。

 当時福岡で名門の設計事務所が多数存在したなかで、手島会長は何ができるのかを熟考し実践に移した。創業当初は、大工や大手系住宅機器メーカーの下請という立場で設計の仕事を積み上げていく。仕事の規模に関わらず、どのような仕事でも地道に実績をつくり上げていくことに集中した。その活動が業界内で評価され高い信頼を得ることとなり、官民とも幅広いジャンルの建築および構造物の設計と監理を手がけるようになった。どんな仕事でも誠実にそして丁寧に全力を尽くした手島会長の創業の心は、現在の同社における社是・行動指針の礎となっている。

 「最初の仕事をいただいたときの図面は、今も残っております」(手島会長)と、常に初心に戻り、どのような仕事も心より感謝して取り組む姿勢が見受けられる。

東京・大阪への進出

 福岡で実績を積み重ね、県内でトップクラスの建築設計士として認知され有数の建築設計事務所の1つとして数えられることとなった同社。86年7月に東京支社を設置し、東京進出をはたした。同社が進出した東京は当時バブルの絶頂期で、建設業も含めすべての業界が活況で、東京の設計関係者は民間の仕事に集中した。反面、官公庁関係の仕事は誰も見向きもせず、指名にすら参加しなかったという。

 手島会長は、積極的に東京都を始めとした官公庁関係の仕事を受注していき、信頼関係を構築。また、創業時から変わらずに、民間の仕事も規模に関わらず受注し、実績を重ねていった。その活動が認められ、東京都や中央官庁からの指名が多数入り、民間においても大手筋からの受注が増え、東京での基盤ができた。東京の建築設計業者は約5000社あるとされるなか、同社は常にランキング上位100位以内に入る東京でもトップクラスの地位を確立している。その後、95年7月に大阪へ進出し、東京・大阪そして創業の地福岡の3都市で、活躍を続けている。

まちをクリエイトする志向

中央区竣工物件

 現在同社は、手島会長と2017年1月に代表取締役社長に就任した手島誠氏のツートップでの経営を行う。現在に至るまで著名な建築物から一個人の建築物まで多種多様なニーズに応えた事業を手がけている。近年は全国各地で起きた自然災害の影響で、耐震改修促進法など今後さらに耐震や耐久性など建物への安全性が求められ、その規制はより強まることが予想される。国内の社会環境が日々想像以上のスピードで変化しており、利便性が高まっている一方で地球環境の劣化や負荷が重くなり、自然環境が悪化している。

 建築関係の事業にまつわる現在の状況について手島社長は、「我々の建築設計という分野は、建設業の一部であることはたしかです。一方で、建設とは似て非なるものであるのが建築設計です。つまり職人という側面もありますが、我々の建築設計という仕事は、構想する・発想するという色合いが強いです。意匠・構造および設備などを設計し、客観的なデータや構造計算そして安全性など、建物の基礎的な部分をつくり出すことが第一です。それらを整理して建物の設計を行います。そこには、そのまち全体の風土や機能、住む人々などを含め、あらゆる条件が関わってきます。それらを十分に加味しながら、構想を組み立て、発想をかたちにしていきます。昨今の地球環境の変動で、自然や気候が急変し国土への影響が大きくなっております。そのような環境そして人々の価値観やライフスタイルなど時代に沿うものを鑑みながら、まちづくりをクリエイトしていくことが使命かと存じます」と建築士としての在り方を述べる。

(つづく)

<COMPANY INFORMATION>
代表取締役会長:手島 博士
代表取締役社長:手島 誠
所在地:福岡市中央区清川3-21-9(福岡本社)
    東京都港区芝1-13-16(東京本社)
設 立:1976年9月  資本金:1,000万円
TEL:092-522-5311(福岡本社)
   03-3457-6761(東京本社)
URL:http://www.teshima-at.co.jp

<プロフィール>
手島 誠(てしま・まこと)

 1971年11月16日生まれ。93年4月、(株)手島建築設計事務所入社。2010年、手島建築設計事務所大阪支社長を経て、17年1月に代表取締役社長に就任。長年の設計経験を生かし、社長業も奮闘中。

(後)

関連キーワード

関連記事