躍進中のベトナム:シンガポールを抜き上場企業資金調達額でアジアNO.1へ!(前編)
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NetIB-Newsでは、「未来トレンド分析シリーズ」の連載でもお馴染みの国際政治経済学者の浜田和幸氏のメルマガ「浜田和幸の世界最新トレンドとビジネスチャンス」から、一部を抜粋して紹介する。今回は、2019年2月1日付の記事を紹介する。
経済成長の著しいアジアの中でも特に目覚ましいのがベトナムである。人口も増加の一途で、1億人を突破するのは時間の問題と見られる。しかも、平均年齢は28歳と若く、消費意欲は旺盛極まりない。いまどき、こんな国は世界でも類を見ない。まさに「未来の大国」と言えよう。
国営企業の民営化も盛んで、インフラ分野から製造業に至るまでベンチャー精神がみなぎっている。そうした動きを象徴するかのように、2019年にはベトナム初の国産自動車「ビン・ファースト」がデビューする。
また、バイクや自動車の相乗りサービスも盛んである。「ファースト・ゴー」と呼ばれるアプリ提供会社は発足間もないが、アメリカや韓国からの投資家から資金を集め、ベトナム国内に限らず東南アジア全域、そしてアメリカやブラジルにまでサービス範囲を広げる計画を進めている。その促進役を果たしているのも地元企業の「ビナ・キャピタル」という投資会社に他ならない。
彼らの発想は大胆で前向きだ。「アメリカ発のウーバーを抜け!アジアで先行するシンガポールに負けるな。競争相手に挑戦することで、われわれも成長する。われわれの強みは資金力だけではなく、戦略にある」。
具体的には、ファースト・ゴーでは運転者からコミッションを取らない。その代わり、1日の売り上げが一定金額を上回った場合に少額のサービス利用代金を受け取る仕組みとなっている。ラッシュアワーにも追加料金を請求せず、利用者のチップを期待するというわけだ。既に東南アジアでは破竹の勢いを見せている。アジアの若い消費者を取り込む戦略は着実に成果を上げているようだ。
実は、ベトナムは宇宙開発やオリンピック招致にも熱心に取り組んでいる。北部にはアジア最大の天文台の建設が進み、首都ハノイでは「日本、中国、韓国に続け!」と、オリンピック開催に向けて準備を加速させている。かつての日本を彷彿とさせる。
ベトナムでは超富裕層が世界最速の勢いで増えているのだが、地域によっては依然として発展途上国の厳しい生活を余儀なくされている。そのため、このギャップを早急に埋めなければ、ベトナムの未来は地雷原を進むことになりかねない。
ベトナムは今や中国を抜き、日本のODA(政府開発援助)の最大の受入れ国となり、アジアでは最も親日度の高い国である。首都ハノイの空港にも、空港と市内を結ぶ陸橋「日越友好橋」にも日本からの支援を感謝するプレートが随所に掲げられている。今後は日本による開発援助をいかに地方に行き渡らせるかが、ベトナムの未来を左右すると言っても過言ではない。その意味では、ベトナムの未来は日本とのパートナーシップを通じて一層輝くものになりそうだ。
さて、2019年の幕開けにあたり、各国が気にかけているのが、米中の貿易通商戦争であろう。
※続きは2月1日のメルマガ版「躍進中のベトナム:シンガポールを抜き上場企業資金調達額でアジアNO.1へ!(前編)」で。
著者:浜田和幸
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