2024年11月21日( 木 )

決別!「ドンキ」化するファミマ(前)

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急減する無印にファミマが三行半

 コンビニエンス大手のファミリーマートは、良品計画(本社:東京都)が展開する生活雑貨「無印良品」ブランドの取り扱いをやめる。両社は、セゾングループの総帥、(故)堤清二氏が立ち上げた企業だ。40年近く続いた関係が終わる。コンビニを「ドンキ」化するためだ。

 日本経済新聞(1月31日付朝刊)は、「ファミマ、『セゾン』と決別 無印良品」の販売終了」の見出しで報じた。

 ファミリーマートが良品計画の生活雑貨「無印良品」の販売を終了する。もともと旧セゾングループに属していた両社が、1980年代初頭から約40年にわたって続いた関係を絶つ。売上が伸び悩んでいたなか、伊藤忠商事の子会社となるなどファミマ側の経営体制の刷新も判断を後押し。今後はファミマの店舗に提供する「ドンキ」の要素も反映されそうだ。

 「ファミマに行く理由がなくなる」――。ファミマでの「無印」ブランドの販売終了を受け、SNS(交流サイト)では惜しむ声が広がった。ファミマは28日に店舗からの発注を停止しており、在庫がなくなり次第、全約1万7千店が順次販売を終える。

 扱いをやめる理由について良品計画は「ファミマ側の意向」とする。対するファミマ幹部は「売上が伸び悩んでおり売り場構成の見直しの一環」と話す。

・日本経済新聞(1月31日付朝刊)

 

 ファミマと良品計画は旧セゾングループから生まれた。ファミマは1981年、セゾングループの中核企業の1つであった西友ストアーから、小型店事業として分離して発足。「無印良品」は80年、西友のプライベートブランド(PB)として誕生し、その後良品計画という企業として独立した。両社は西友が親の兄弟会社だ。

 前兆はあった。両社の関係の変調が明るみになったのは、良品計画の2019年2月期中間(18年3~8月) 決算の席だった。営業利益は7期連続で過去最高を更新したが、国内はファミリーマート向け取引の縮小で減益となった。朝日新聞DIGITAL(2018年10月3日付)が、ロイターの配信記事で伝えた。

 ファミリーマート向けの売上高は前年比46.2%減の26億円と急減。会見した松崎曉社長は「これまでファミリーマート店舗では商品を陳列する什器(じゅうき)が3台あるいは2台だったが、9月1日から1台となった。このため上期から供給を落とさざるを得なくなった」と説明した。

・朝日新聞DIGITAL(2018年10月3日付)

 

 良品計画のファミマ向けの商品供給額は18年2月期には前期比5.6%減の82億円。19年2月期は激減、それ以降はなくなる。大打撃だ。ファミマとの取引縮小は、良品計画には、想定外だったようだ。

(つづく)
【森村 和男】

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