ZENT豊橋藤沢店に見る、ホール運営の新スタンダード
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愛知県を中心に、パチンコホール(以下、ホール)「ZENT」を20店舗以上展開する(株)善都。同社が、2019年2月1日にオープンさせた「ZENT豊橋藤沢店(所在地:愛知県豊橋市)」は、その出店場所や最新設備機器の導入により、業界関係者間で話題となった。
ドン・キホーテ内への出店
ZENT豊橋藤沢店は「MEGAドン・キホーテ豊橋店」内にオープンした。パチンコ・スロットの総設置台数は1,000台を超える。九州・福岡エリアで、同等規模の大型店がほかの商業施設にテナントとして入ることは希有だ。
同社は、今回のドン・キホーテ内への出店理由を「厳しいとされる小売業界のなかで飛躍しているドン・キホーテ様と弊社が融合することで、シナジーが生まれることを期待しております」と話す。いかにホールに足を運んでもらうか、という点で考えると、単独出店するよりもドン・キホーテ内に出店した方が動線は確保しやすい。遊技を楽しんだ顧客が、ドン・キホーテで買い物をして帰ることもあるだろう。シナジー効果はたしかに期待できる。しかし、顧客の主目的が買い物だった場合、自ずとホール内での滞在時間・遊技時間は短くなる。ZENT豊橋藤沢店が集客力を発揮するには、便利の良さ以外にも強みとなる取り組みが必要だ。以下、同店の特徴を紹介する。
最新設備で省力化
ZENT豊橋藤沢店には、多彩な最新設備機器が導入された。セルフカウンター、ウエアラブル端末、清掃ロボットなどがそれだ。セルフカウンターを設置することで、顧客は任意のタイミングでICカード内に記録されたパチンコ玉・メダルの数に応じた賞品交換が可能。店舗スタッフは、腕時計型のウエアラブル端末を装着することで、顧客からの呼び出しに即応することができる。どこから呼び出しがあったのか、同端末に対象エリアが表示される仕組みだ。
また、ホール内では清掃ロボット(イメージはルンバ)が稼働するほか、喫煙専用スペースを用意。美しい空間の維持に一役買っている。
同社は「店舗コンセプトの1つに省力化を掲げております。各設備の導入により、従業員1人あたりの作業量は12%削減され、その分、弊社が注力する接客、接遇面で高いパフォーマンスを発揮できると考えております」と話しており、これらの最新設備機器による店舗業務の効率化も見込んでいる。
映像による空間演出
ZENT豊橋藤沢店の魅力の1つに「空間演出」もある。同店では、プロジェクションマッピングや、映像と利用者の動きが連動するインタラクティブサイネージを採用。顧客は遊技とは違った「映像アトラクション」を楽しむこともできる。また、これらのアトラクションはMEGAドン・キホーテ豊橋店との共用スペースに整備されているため、親子連れでも気軽に楽しむことができる。企業スローガンに「アミューズメントのNEXTを。」掲げる同社らしい、遊び心に満ちた取り組みといえる。
同社はZENT豊橋藤沢店の今後について「人にしかできない仕事の質を高める為に省力化に取り組み、禁煙店店舗でありながら喫煙者にも配慮した喫煙ルームを設けるなど、新たなスタンダード店舗としてその価値を高めていきたい」としている。
遊技機への規制強化に端を発した遊技人口の減少、広告規制による集客ツールの画一化など、ホール運営をめぐる環境は厳しさを増している。ホールの統廃合は今後も進むだろう。市場で生き残るためには、意匠が凝らされたZENT豊橋藤沢店のように、これまでにない新たなチャレンジが求められる。
【代 源太朗】
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