2024年11月24日( 日 )

九州地銀の2019年3月期 第3四半期を検証する(2)

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【表1】を見ていただきたい。九州地銀(18行)の2018年3月期第3四半期(2018年12月期)の貸出金残高順位表と預貸率の推移表である。

<この表から見えるもの>
◆貸出金残高の第1位は福岡銀行で9兆7,847億円。九州地銀の総貸出金38兆2,679億円の25.6%と、全体の1/4にあたる圧倒的なシェアを占めているのがわかる。
・2位は西日本シティ銀行の7兆733億円でシェアは18.5%。3位は肥後銀行の3兆4,689億円でシェアは9.1%。4位は鹿児島銀行の3兆4,252億円でシェアは9.0%となっており、上位4行の貸出金シェア合計は62.2%と5割を大きく超えている。
・2兆円台の銀行はなく、1兆円台の銀行は宮崎銀行、十八銀行、大分銀行、佐賀銀行、親和銀行、熊本銀行、北九州銀行の7行となっている。
・5位の宮崎銀行は前期比+564億円の1兆9,910億円となっており、3月期末は2兆円を達成するものと見られる。
・6位の十八銀行は4月にふくおかFGとの経営統合を控えており、貸出金を前期比+2,304億円(前期比13.8%増)と大きく増加させており、存在感を誇示しているようだ。それを意識してなのか、熊本銀行も前期比+1,967億円(前期比15%増)と大きく増加させ、1兆5,113億円となっている。
◆預貸率を見ると、18年3月期に59.8%と最低だった十八銀行は前期比+1.9%の61.7%。一方大分銀行は前期比▲0.9%の60.3%となり、九州地銀18行中、最低の預貸率となっている。
・預貸率が100%を超えているのは北九州銀行で108.6%。18年3月期は96.9%だったが、11.7%悪化している。地元銀行として生き残るためには、バランスの取れた預貸金の増加が求められているといえよう。

【表2】を見ていただきたい。ふくおかFG・西日本FHおよび九州FGの2018年3月期 第3四半期(2018年12月期)の貸出金残高順位表である。

<この表から見えるもの>
◆貸出金シェア第1位はふくおかFGの12兆9,707億円で、そのシェアは九州地銀の総貸出金38兆2,679億円の33.9%を占めている。2位は九州FGの7兆3,179億円で、シェアは19.1%。3位は西日本FHの6兆8,941億円で、シェアは18.0%となっており、この3グループの合計シェアは71.0%となっているのがわかる。

<まとめ>
今年4月にふくおかFGと十八銀行が経営統合する予定となっており、ふくおかFGのシェアはさらに増加することになる。 【表1】、【表2】からわかるように、グループに属していない地銀は、今後ふくおかFG、西日本FHおよび九州FGの3グループとの提携を模索することになるのではないだろうか。

表1 ※クリックで拡大
表2 ※クリックで拡大

(つづく)
【(株)データ・マックス顧問 浜崎裕治】

 

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