【パチンカー代の『釘読み』】パチンコホールは158万世帯分の電気を使う
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全日本遊技事業協同組合連合会(以下、全日遊連)が発表している「2017年度分 ホールにおける電気使用量等調査」の結果によると、パチンコホール(以下、ホール)における17年度の総電気使用量は68億5,033万kwhにのぼる(調査対象ホール数:9,545ホール)。68億kwhと言われてもピンとこない人は少なくないだろうが、環境省が公表している『平成29年度家庭部門のCO2排出実態統計調査』によれば、一世帯あたりの年間電気消費量は平均4,322kwh(調査世帯数:13,000世帯)。
各ホールの総電気使用量は、単純計算で実に158万世帯分の電気消費量に相当するのだ。
もちろんホール側はこの状況を良しとしているわけではない。LED照明の導入や、営業時間外の照明器具の消灯徹底などを実施している。また、ホールの統廃合が進む中、確実に電気使用量は減っている、はずなのだが…。
16年から17年にかけてのホール減少数は390店舗(警察庁公表『H29年における風俗環境の現状と風俗関係事犯の取締り状況などについて』参照)。相応に電気使用量は減るものと思えるが、全日遊連が発表している16年度の総電気使用量は67億1,036万kwh。16年度から17年度にかけて、ホールの総電気使用量は減るどころか、約1億4,000万kwh増えているのである。
ホール数は減っているのに、電気使用量は増える。この逆転現象は何故起こるのか。一因として考えられるのがパチンコ・スロットの設置台数である。統廃合の渦中にあるホールは設置台数が500台に満たないような中小規模店が多い。対して、新規出店を行うような体力がある大手は、設置台数1,000台規模の大型店を市場に投入する。仮に、設置台数500台のホールが2店舗廃業しても、設置台数1,000台のホールが1店舗オープンすれば、パチンコ・スロットの設置台数自体に増減は生じないのである。
また、全日遊連のアンケートに協力する(回答する)大規模ホールの割合が増えている(全日遊連担当者)ことも理由として挙げられる。
夜、煌々と輝くホールは待ち合わせに使えるランドマークとも言える。何事にも一長一短があるとはいえ、省エネが叫ばれる今、ホールだけでなく、メーカーも含む遊技業界全体で、さらなる節電に励む必要がある。
【代 源太朗】
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