2024年12月26日( 木 )

【スーパーマーケット・トレードショー】加速する変革への対応 SMが抱える課題を解消する商材続々と(3)

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スマホ決済の導入でレジ待ちストレスを解消

 このプロジェクトのスポンサー企業である(株)寺岡精工は、スマートフォンを使い、売り場の商品をスキャンしながらマイバッグに入れて買い物をする次世代型スマホレジ「Shop&Go(ショップ アンド ゴー)」を披露した。

 スマホで商品をスキャンしながらスマホで精算という新しい買い物体験で、レジ待ちというストレスを解消し、スマートコミュニケーションにもつながるシステム。既存のPOSシステムはそのまま使用できるが、専用のアプリとセルフ精算機の導入が必要で、寺岡精工は3月からサービスを提供し始めた。

 同社が実施したアンケート調査によると、SMでの買い物で嫌だと思うのは、「レジでの待ち時間が長いとき」が55.9%と最も多く、3人に2人が、買い忘れたものをレジ待ちが原因で追加購入しなかった経験があり、機会損失を招いている。

 通常のレジとShop&Goとの商品の袋詰めまでの時間を比較すると、レジ待ちがなく、レジでの商品スキャンや袋詰めが不要で、会計時間も短くなり、9分から30秒と大幅に短縮できるという。

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「野菜の主食化」など健康志向商品が増加

 今回のスーパーマーケット・トレードショーで、SMが抱えている課題にどう対応し、どのような方向に向かうのか、うっすらとみえてきたように思うが、来年はよりその姿が鮮明になり、輪郭もはっきりしてくるだろう。出展者の展示ブースからは、食のトレンドやヒットの予兆も読み取ることができる。健康志向対応は主要な課題の1つだが、低カロリー、糖質オフが2大テーマになっていることが読み取れる。

 甘みのあるキャベツの芯を米粒サイズにカットしたサラダクラブの「キャベツライス」。キャベツの芯の甘さと米のような食感と風味が楽しめる糖質オフで、昨年10月発売し、売れ行きも好調だ。キャベツの芯を米のように食べる初めての商品で、米や麺に変わる「野菜の主食化」を提案している。昨年7月に発売された。井辻食産(株)の糖質40%オフで食物繊維を豊富に含んだ「ぎょうざの皮」は、糖質オフは業界初となる。

 大塚食品(株)は、昨年11月に大豆を使った肉不使用の「ゼロミート.ハンバーグ」を発売、ベジタリアンやビーガンにも対応する。三菱食品(株)が展開する「おいしさ」「バラエティ感」「簡便性」「継続性」を主軸に考えた健康対応シリーズ「からだシフト」。近年はSMでのコーナー展開も目立ち始めたが、今年2月から糖質コントロールの冷凍食品8アイテムが新たに発売された。

 モントワールの乳酸菌入りのドーナツは、無添加・無香料で、大豆粉を配合し糖質25%オフの196cal。乳酸菌100億個入りとパッケージに表示しアピールし、ドーナツから罪悪感を取り除いたアイテム。乳酸菌100億個入りのチョコレートも発売している。

 伊藤忠食品(株)が昨年8月に同社のオリジナルブランド「からだスイッチ」シリーズから発売した「大人のミルク習慣プレミアム」もユニークな商品。栄養価の高い粉ミルクにホエイ由来のミルクプロテインを3,700mg 配合した高たんぱく商品。コーヒーなど飲料に混ぜたり、料理の調味料としても使える、とくにたんぱく質を簡単に補うことができる大人用の粉ミルクだ。

 アルファの1回分の薬膳キット商品は、薬膳カレー、サムゲタン、杏仁豆腐、クラムチャウダーなどの6種類を用意し、家庭で気軽に薬膳料理をつくることができる。

(つづく)
【取材・文・構成:西川 立一】

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