【検証】関空連絡橋衝突事故を振り返る~未曽有の衝突事故は防げたのか(4)
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空白の数十分~ホバー状態に「し続けた」のははたしてどれくらいの時間だったのか
衝突事故の原因として挙げられた、主機を使用して圧流が止まったとしてジョイスティックをホバーの位置に「し続けた」のは、はたしてどのくらいの時間だったのか。7ページに書かれている事実情報の部分には、このように記載されている。
運輸安全委員会の関係者は、「報告書の7ページに書かれている事故の経過を見ると、いったんジョイスティックをホバーの位置に戻した結果、何が起こったかというと、再び圧流された(=風下側に流された)わけです。風下側に流されたことを認識した船長は13時30分ごろに再びジョイスティックを操作したわけですが、少なくとも13時30分ごろに再びジョイスティックの操作を行っていることを、事実情報として認定しています」と話す。
運輸安全委員会のいう「し続けた」は、船長が風下側に流されているのをレーダーで認めたうえで、再びジョイスティックを操作する段階に至るまでの間。圧流されていることに気付きジョイスティックを動かしたのが13時30分で、その間はジョイスティックをホバーの位置に「し続けていた」と見ている。
ジョイスティックをいったんホバー状態にした推定時刻について、運輸安全委員会の関係者は、「走錨が止まったと思われる時刻は、44ページを見ると、13時10分14秒ごろ。『風下方への圧流が止まったものと考えられる』と分析がしてあります。また、52ページの『付図1航行経路図』を見ると、船の位置が移動し始めているのは13時18分ごろと読み取れます。よって、この間にジョイスティックをホバーの位置に戻したものと考えられます」と話している。
では、ジョイスティックをいったんホバー状態にしてから再び操作するまでの時間は、船内で何が行われていたのであろうか。
運輸安全委員会の関係者は、「私共は収集した情報を基に事実認定をしており、事実認定に基づいた事故の経過として、7ページに書かれているような内容を掲載しております」と前置きをしたうえで、「13時10分ごろから13時30分ごろの間にどのような操船をしていたのかという点についてですが、船長、航海士、機関長、甲板長の口述によると、少なくともジョイスティックを動かしたという証言は13時30分ごろと確認しています。この間のジョイスティックの操作についてはそれ以上聞き取りで得られなかったため、事実情報として認定をしておりません。従って、報告書内ではこの間の動きについては触れておりません。報告書もそれに基づいて分析を行い、原因を記述しております」とのことだった。
真偽の程を確認する為、データ・マックス社は4月25日の発表を受けて、日之出海運(株)の清水満雄社長に改めて取材を行った。
(つづく)
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