【スーパーゼネコン18年度決算】オリンピック控え業績は最高水準(2)
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2社は増収減益
清水建設にわずかにおよばず4位となったのは大成建設(株)。計画を上回る受注を確保した19年3月期の売上高は1兆6,508億円(前期比4.1%増)を計上。土木は前期に複数の大型案件があった反動から減少したが、建築は首都圏の大型再開発案件などの注力案件を順調に受注し、前期比で増加。主な完成工事は、「(仮称)麹町新スタジオ棟建設プロジェクト」(東京都)、「札幌創世1.1.1区北1西1地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事および公共施設整備工事」(札幌市)、「一般国道340号(仮称)大峠トンネル築造工事」(岩手県宮古市~遠野市)などが挙げられる。
利益面では、過去最高益を更新した前期からは減益となったが、過去2番目の水準を確保。土木事業、建築事業および開発事業の売上総利益率の悪化などにより、営業利益1,533億円(同15.7%減)、経常利益1,579億円(同14.8%減)、当期利益1,125億円(同11.2%減)を計上したが、経常利益率では5社中1位と採算性の高さが目立った。
5位は(株)竹中工務店。売上高は1兆3,536億円(前期比4.5%増)となったが、営業利益は8,506億円(前期比21.2%減)、経常利益は9,397億円(同18.5%減)、当期利益は6,363億円(同16.0%減)と、前年比で軒並み減少した。増収傾向にあるものの、工事原価の上昇傾向が続いており、「建設コストの上昇や一部の大型工事における受注競争激化の影響もあり、建設事業において工事利益が減少している」(同社)という。受注構成は97%超が建築工事で、土木工事は「建物の新築ならびに再開発のなかでそれに付随したもの」に限られ、基本的には建築工事がほぼ100%の構成となっている。
純資産額1位は大林組。5社とも自己資本比率は35%超となった。純資産額では上場4社におよばなかったが、自己資本比率は45.5%を計上した竹中工務店がトップだった。
手持工事は過去最高水準
期末時点の次期繰越高は大林組が707億円減、鹿島建設が1,382億円増、清水建設が3,187億円増、大成建設が429億円増、竹中工務店が599億円増と大林組を除く4社で増加。5社合計の次期繰越高は前期比で5,000億円近く増加し、9兆3,637億円にも上る。オリンピック会場の整備を始めとした再開発などによる建設需要は高まっており、工事の受注残高は過去最高水準といえる。
金融緩和やオリンピック特需により、東京のみならず国内の主要都市ではビルの建替えや再開発が相次いでおり、スーパーゼネコンが次期繰越高を伸ばしているのもその影響を受けたものだ。建設業界では建築資材や人件費の高騰が続いているといわれて久しいが、スーパーゼネコンの原価率(完工原価/完工高)はここ10年減少傾向にあることから、比較的採算性の高い工事を受注できていることが見受けられる。
(つづく)
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